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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月25日


晴れ。
月曜日、ようやく火は鎮火されつつあるが、まだ焦げ臭い。

御幸が、病院にやって来た。


「遅かったな」


王が、冷たく御幸に言い放つ。


「来る時間は指定していなかったはずだが……?」


御幸が首をかしげると同時に時計を見る、朝の10時だ……
それは、俺も携帯の時計を見てわかった。


「そうじゃない、どうして昨日来れなかったんだ?」


王の声が冷たい。


「そんな言い方をしなくてもいいだろう?」


啓司が、王を睨む。


「すまない。
 昨日は、こちらも情報整理の為に、時間がかかった」


御幸が、そう言って苦笑いを浮かべる。


「ならいい……
 深くは聞かない」

「すまないな……」

「そうだ……
 お前たちに謝らなくてはいけないことがある」


啓司が、そう言って一歩出る。


「足立 恋次が、脱走した」

「え?
 脱走って?能力を無効化したんじゃないの?
 どうやって……」


俺は、啓司の方を見る。


「無効化を無効化された」

「そんなことできるの?」

「不可能ではないな」


王が答える。


「そうなの?」


俺は、王に尋ねる。


「俺やお前だって無効化能力を無効化にする技を覚えようと思えば覚えれるだろう?
 俺はアニメを見る、お前はゲームをする。
 俺たちのようなコピー系能力者なら、可能だ」

「そうだね……
 って、じゃ、この犯行って恋次の破壊王の能力なの?」

「それは、わからないが……
 火蛾の可能性の方が高いだろう」


啓司が、頭を押さえながら俺の問いに答える。


「一応、歌もこっちに来てくれるらしい。
 昨日連絡を入れておいた……
 ただ、この状況だ、いつこれるかは、わからないらしい」


啓司のそれを合図に俺たちの作戦会議が始まった。

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