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「ギフト」完結! [ギフト(小説)]

ギフト、完結させました。

明日からの毎日小説は、「ピノの旅」を書きます。


SFです。
ファンタジーです。
ロボです。
暴れます。


頑張ります……
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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月15日


曇り。

瑞樹君は、泣き崩れながら警察に補導され……
俺は、夢ちゃんを担いですぐに病院に向かった。
傷は、深く致命的なダメージだったが、里杏ちゃんの治療のおかげで、一命をとりとめた。
そして、白銀の命も繋ぎ止めた。

罪人を助けるのは気が引けたけど、裁判で罪を裁かれなければならない。
あと白銀の命を取り留めたのは、瑞樹君の為でもある。
瑞樹君を殺人犯にしたくなかった。

だから、俺の魔法で白銀の治療を行った。

もちろん捕獲ロープは、外さない。
念のため、啓司の能力で、白銀の能力を封じてもらっている。


「どうして助けるのです?」


目を覚ました白銀が、俺に尋ねる。


「お前を助けるわけじゃない。
 瑞樹君を助けるためだよ」


「そうですか……」


白銀は、再び目を閉じる。


「私もここまでのようですね」


俺は、何も答えない。

そう、全て終わったんだ。

俺は、心にもやもやが、残ったまま自室に蹲る。
すると部屋をノックする音が聞こえる。


「はい」


俺が、返事をすると夕貴さんが、入って来る。


「夕貴さん?」


夕貴さんが、フィリップを持っていない。
一生懸命口をパクパクさせ何かを伝えようとする。


ほんの小さな声だけど俺の耳には届いた。


「ありがとう」

「夕貴さん、声が……?」


夕貴さんは、涙を流しながら俺に抱き着く。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」

「俺の方こそ、ありがとう」


俺は、夕貴さんの体を抱きしめた。


「いつ、声が……?」

「ちょっと前からです。
 一番最初に亜金さんとお話ししたかったので……」

「そっか、ありがとう」


夕貴さんは、首を横に振った。
戦いは、終わった。
長い長い戦いが終わり、俺はぬくもりを手に入れた。
知りたかった人肌のぬくもり。


「亜金さん」


夕貴さんが、俺の名前を呼ぶ。


「うん?」

「好きです……」


頭の中が真っ白になる。
そして、俺も答える。

「俺も好きだよ」と……


-おわり-
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