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今更だけど [日記]

――5月22日



俺たちは、言われた通り言われた場所に向かった。
エルザさんも道案内ってことで、一緒に来てくれている。


「これは……」


その遺体は、無残なモノだった。
首から上が無かったのだ。


「あれ?
 亜金君たちじゃないか……」


星さんが、そう言って俺に近づいてくる。


「星さん、お久しぶりです」

「話は聞いているよ。
 大変だったね……」

「あ。はい……」


星さんは、ピノが持っている印籠を見て驚きの顔を見せる。


「もしかして、君たちファルシオンに入ったのかい?」

「はい……
 一つ星ですが……」

「そっか。
 じゃ、ここには仕事できたのかい?」

「うん!
 エクザイルのお爺ちゃんに頼まれてここの調査に来たよー」


星さんは、顎に手を当てて一瞬何かを考えている表情をした。


「そうか……
 なら、今までに集まった情報を提供しよう。
 遺体の名前は、スカイ=バレット。
 ファルシオン部隊の中でも中堅クラスの人だ。
 星は、5つ……
 目撃証言によると霧の姿をしたワーウルフだったらしい……」

「霧のワーウルフ。
 変種か?」


プレゲトンが、星さんに尋ねる。


「今の段階では何とも言えない……
 変種なのかキメラなのか魔族なのか神族なのか……
 それさえもわからないんだ。
 魔力の痕跡さえも残っていない」

「つまり、犯人は、魔力を込めずにスカイさんを倒したってことですか?」


万桜さんが、星さんに尋ねる。


「ああ、そう言うことになるね」

「素手でスカイが敗れただと?
 スカイとは、何度か一緒に仕事をしたことっはあるが、剣術の腕前は中々のモノだったぞ。
 この遺体の様子からだと剣を抜いてはいるが、傷はない……
 あるのは、首から下の無傷な遺体だ……
 予測するにスカイは……」

「ああ……
 顔に一撃ダメージを与え、一撃でスカイさんを殺している。
 こんな危険な任務……
 どうして、エクザイル様は、亜金君たちに頼んだのだろう……?」


星さんは、そう言ってエルザさんの方を見る。

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