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俺は、今人妻に恋してます。 [俺は、今人妻に恋してます。]

8月27日 11時25分


明日は、24時間テレビが、ありますね。
はるかさんが、目を覚ましました。


俺は、由香さんに付き添われながら、はるかさんの病室に向かった。
病室には、はるかさんのお父さんである南さんが、傍に居た。


「あ、亜金君……?」


はるかさんは、悲しそうな目で俺の方を見た。


「じゃ、私は、行くね……」


由香さんは、そう言って病室を出た。
それについて行くかのように南さんも病室を出た。


「私……
 生きてるの?」


はるかさんは、表情を変えずに言った。


「うん」

「なんか、気持ち悪い……」

「生きているからだよ」

「そう……?」

「うん」

「太郎さんは……?」

「今、警察に居るよ。
 でも、示談する事になったから、もうすぐ出てくるかも知れない……」

「示談?」


はるかさんが、眉を少しゆがめた。


「でも、安心して!
 向こうは、離婚してくれるって!
 だから、もう、暴力に苦しむ事はないよ!」

「離婚?」


はるかさんは、一筋の涙を流した。


「はるかさんのお父さんの会社の方は、残念な事になったけど……
 みんな、理解してくれてるって、言ってたよ!」

「違うの……
 もう、太郎さんに会えないの?」

「え?」


背筋が、ひやっとした。
はるかさんの目から、ボロボロと涙を零した。

この時、初めて気づいた。
はるかさんは、旦那さんの事が好きだったんだ。
どんな暴力を受けても、好きだったんだ……
俺は、もしかしたら取り返しのつかない事をしてしまったのかもしれません。


「ごめん……」


俺は、思わず謝ってしまいました。


「今は、1人にして……」

「うん」


俺は、はるかさんの病室を出ました。
そして、今、自分のベッドの上で後悔しています。
俺が、やった事は、きっと余計なおせっかいだったのだから……

※この物語はフィクションです。
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俺は、今人妻に恋してます。 [俺は、今人妻に恋してます。]

8月26日 11時20分



朝なのに、暑いですね……
病院内は、エアコンが効いていて快適ですが……
外は、暑い……

病室は、シーツを変えるらしく出されてしまいました。
今、病院の庭に来ているのですが、人が大勢集まっています。


「何かあるのかな?」


俺は、由香さんに聞いてみました。


「ライブが、あるらしいよー」

「ライブ?」

「高校生のボランティアのライブだってさー」

「へぇ……」


ついでだから、聞いて行く事にしました。
10時30分からの30分のライブで、さっき終わったばかりなのですが……
なんて、言うか……

ライブだから、もっと派手で、ロックなのをイメージしていたけれど。
童謡やアニメソングを歌っていました。
この病院、子供が多いからなのかな??

病院で入院している子供達は、大はしゃぎでした。
俺もあの年代の子供だったら、大はしゃぎしているんでしょうね。

あとボーカルの男の子の歌声が、綺麗だった。

最後に、亡くなった女の子の為に歌った曲。
その女の子が、大好きだったと言う曲『ひこうき雲』を聞いた時。
俺は、何故だか涙が、こぼれました。

由香さんも隣で、涙を流していました。


暑さなんて、忘れた30分でした。
物凄く、よかったです。


そろそろシーツの交換は、終わっているでしょう。
これから、病室に戻る事にします。


※この物語はフィクションです。
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俺は、今人妻に恋してます。 [俺は、今人妻に恋してます。]

8月25日 10時47分


曇天の道を
傘を忘れて
歩く彼女は
雨に怯えてるので僕も
弱虫 ぶら下げて
空を仰ぐ


今の空は、曇天です。
疲れたのか、由香さんは、俺と同じベットで眠っています。
久しぶりに由香さんと寝たな……

と言っても、卑猥な事は、一切やってませんけどね……

さて、昨日の話です。


俺は、あの後すぐに由香さんを追いかけました。
でも、由香さんの影は、ありませんでした。
とりあえず、中庭に向かったのですが、そこにも由香さんはいません。
香奈さんの部屋に行ったかと考え、香奈さんの部屋に向かおうとした時、俺はよろめき扱けてしまいました。

足の骨が折れていると、自分ひとりで立ちあがるのって、大変なんですね。
身をもって知りました。
俺が、立ちあがるのに苦戦していると、1人の女性が、助けに来てくれました。


「大丈夫ですか……?」


そう言って、駆け寄ってくれた女性。
それは、由香さんでした。

俺は、由香さんに起こされ、そして近くのベンチまで一緒に歩きました。


「亜金さん」

「ん?」

「ごめんなさい!」


由香さんは、ぺこりと頭を下げた。


「え……?」

「最初は、騙すつもりで亜金さんに近づいたの……」

「うん」

「でもね。
 だんだん仕事の事、忘れる位、亜金さんの事が、好きになってきて……」

「うん」

「最終的には、仕事の事忘れちゃってた……」

「そっか……」

「私、亜金さんの事……」

「いいよ。
 もう……」

「え……?」

「由香さんの事、信じてるから……」

「え……?」


由香さんの顔が、だんだん赤くなっていきました。


「ちょっと疲れちゃった。
 部屋に戻ろうか?」

「うん!」


それから、由香さんは、俺から離れてくれません。
俺は、口下手だから上手い事は言えません。
でも、俺の気持ちは動いているのかもしれません。


香奈さんの事。
由香さんのお父さんの事。


それらは、全部事実なのだから……

俺は、由香さんを信じる事にしたのです。





※この物語はフィクションです。
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俺は、今人妻に恋してます。 [俺は、今人妻に恋してます。]

8月24日 11時10分

昨日から俺は、由香さんとロクに口を聞いていません。
由香さんは、不思議がっていました。
でも、口を聞きたくなかったのです。


「ねぇ。
 どうして、話してくれないの?」


由香さんは、涙目で俺に訴えました。


「少ししんどいだけだから……」


由香さんが、別れさせ屋?
いったいどういう事なのでしょう?


「私、いらなくなちゃった?」

「そうじゃないよ……」

「じゃ、どうして……?」


由香さんは、今にも泣きそうでした。
俺は、ゆっくりため息をついた後、ゆっくりと答えました。


「別れさせ屋ってなに?」

「え……」

「もしかして、俺とはるかさんに関係ある?」



由香さんの顔が、だんだん青くなっていきました。
そして、ゆっくりと答えました。
俺の予想通り、俺とはるかさんを別れさせる為に杉山から雇われたらしいです。


「ずっと騙し続けていたの?」


由香さんは、何も答えません。


「全部ウソなの?」


由香さんは、何も答えません。
情けない事ながら、俺の目には、涙が溢れていました。


「言っても信じてもらえないから……」


由香さんは、そう言って俺の病室を走って出て行きました。
そんな時、ふと香奈さんが言った一言が、頭を過りました。


『何が、あっても信じてあげてね』


そう……
俺は、約束したんだ。

何が、あっても由香さんを信じるって!
ブログなんか書いている場合じゃありませんね!
今から、由香さんを追いかけます!


※この物語はフィクションです。
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俺は、今人妻に恋してます。 [俺は、今人妻に恋してます。]

8月23日 13時14分

今日もはよから父さんがー

はい、父さんは父さんでも来たのは、はるかさんの旦那の父さん。
つまり杉山が来ました。

ちなみにはるかさんの旦那さんの名前は、太郎です。

さて、杉山が、何をしに来たと言うと……
そう、示談交渉です。
昨日、忠告されたように由香さんに危害が及ぶのなら示談に応じるしかないと思いました。
杉山は、アタッシュケースを俺の前に出して開けた。


「今日は、1千万用意してきた」

「……」

「この間の倍額だ!
 これで、示談に応じてくれないだろうか?」


俺は、由香さんを守ると誓った。
だから……

俺は、コクリと頷きました。


「おお!
 本当か!」

「だけど、約束してください」

「何をだ?」

「はるかさんに暴力をもう振るわないって……」

「ああ。
 離婚させる事にした。
 だから、その心配はいらんぞ!」

「そうですか……」

「では、お嬢さん。
 ちょっとこっちに来てくれるか?」


杉山は、そう言って由香さんを連れて行きました。
なんだろう?

由香さんは、頷くと杉山と一緒に部屋を出ました。

俺は、気付かれないようにドアに耳を当てました。


「二人は、離婚させる事にした」

「……はい」

「別れさせ屋のお前の仕事は、もう終わりだ。
 これを持って好きな所に行くが良い」

「……」


由香さんは、何も答えません。


「どうした?
 受け取らないのか?」

「要りません」

「金が要るんだろ?」


由香さん……?
別れさせ屋って、どういう事でしょう……
俺の頭が真っ白に……
俺は、ゆっくりとベッドに戻りました。
そして俺は、これから不貞寝を極めようかと思います。
おやすみなさい。


※この物語はフィクションです。
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