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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 ブログトップ
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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 [マイミクのtamaさんが殺されたそうです。]


11月25日


今日は晴れ。

今日も面接に行ってきた。

二日連続の面接は、結構つらいですね。

今日の適性検査が、ボロボロでした。

特に文章を覚える問題が、難しかった。

結果は、来週中に教えてもらえるそうです。

来週も、忙しくなる予感……


今日の帰り、ケンタッキーで食事をしていると佐久間がやってきた。


「こんなところにいたのか……
 探したぞ」

「探してたのか、よく見つけれたな」

「警察の情報網を舐めんな」


俺が、そう言うと佐久間が笑う。

俺もつられて笑う。


「真田清継に正式に逮捕状が降りた。
 まぁ、捕まえてからの逮捕状だがな……」

「そんなんできるのか?」

「任意同行ってヤツだ。
 まぁ、黒に近い任意同行だけどな」

「そっか……
 じゃ、茶虎の無罪は……」

「ああ。
 茶虎さんは、無罪だよ。
 すまなかった……」


佐久間が、申し訳なさそうに謝る。


「いいよ。
 アンタが悪いわけじゃない。
 アンタの独断で逮捕した訳じゃないんだろ?」

「そうだが……」

「だったら、アンタの責任じゃない。
 もっと上の人間が、悪いんだ」

「それは、正式に上から謝罪があると思うが……
 こんなことを言ったらなんだが……
 形だけだと思う」

「だろうな……」

「だから、俺が、こうやってだな……」

「とりあえず、座れ。
 そして、ポテト食え」

「え?」

「お前の中では俺への恨みは消えてないだろ?」

「恨み?」

「俺は、お前の恋敵だ」

「そうだったが……
 お前、覚えてないのだろ?」

「玉藻のこと、思い出したよ。
 俺があげたおもちゃを大事に持っていた……」

「そうか……
 思い出したのか……」

「ああ……」

「再会したのは奇跡に近いのにな……」

「よく言うだろ?
 出会いは偶然、別れは必然。
 無理にでも仕方がないと思うしかないさ……」


俺は、そう言ってコーラーを一気に飲んだ。
色んな理不尽と一緒に……


※この物語は、フィクションです。


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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 [マイミクのtamaさんが殺されたそうです。]

11月24日


今日は、面接に行ってきた。
少し疲れた。

面接の会社のビルの前。

女の子に声を掛けられた。


「こんにちは」

「こんにちは」


知らない人だけど挨拶をされたので挨拶を返した。


「どうされました?」

「面接に来たんです」

「近くにソファーが、ある場所があるのですが……」

「いえ、大丈夫です」

「そうですか……」

「面接は9時15分からなので……」

「早く来られたのですね」


女の人は、そう言い残して何処かに去ってしまった。

いったい、なんだったんだろうか?


面接は、ボロボロだった。

なんというか……
一言では言えないけど……
ボロボロだった。


今日行った会社も看板が無かった。

看板が無い会社って多いのだろうか?

あと地図も少し間違っていた。

地図通りの場所に行けば、居酒屋があった。
近くのコンビニに聞いて、「裏にもビルがあるので、確かめてください」と言われたので行ってみた。
そしたら、ビルがあったので、そこで50分くらい待った。

寒かった。


面接は、10分程度で終了。


でも、頭の中は、玉藻のことでいっぱいだった。
もっと早く気づいてあげていれば……
もっと違う答えが出たのかもしれない。


家に帰ると誰も居ない部屋。
誰も居ない家。


寂しかった。
とても寂しかった。

一人でいるにはだいぶん寂しい家。


マンションは、引き払うことにした。


みんなが暮らしたこの家に、俺も住みたかったから……


※この物語は、フィクションです。


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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 [マイミクのtamaさんが殺されたそうです。]

11月23日


晴れでも、雨降りそう。
そして、休日。


昨日の続き。


「あの玉藻が、タマなんですか?」

「ああ。
 多摩月 玉藻。
 両方とも玉が、つくだろ?」

「はい。
 あ、そっか……
 それで、タマか……」

「本人は嫌がっていたけどね……」


幸雄さんは、そう言って苦笑いを浮かべた。


「え?
 かわいいじゃないですか」

「猫みたいで、嫌なんだってさ」

「あ、なるほど……」


そう言えば、玉藻は、猫が嫌いって言っていたような……
あんなにかわいいのにね。


「その日記、君が持っていてはくれないか?」

「え?」

「形見分けだよ。
 あのこの指輪も……」


幸雄さんが、そう言っておもちゃの指輪を出した。
俺は、その指輪を知っている。
いや、思い出した。

この指輪は、俺が退院する日。
タマにあげたおもちゃの指輪だった。


俺は、今の今まで忘れていた。
でも、玉藻はずっと覚えていたんだ……


「ありがとうございます」

「どうやら、忘れていたって顔だね……
 でも、弟の茶虎君は、覚えていてくれたみたいだよ」

「え?
 でも、その時って、アイツ2~3歳でしたよ?」

「遊んでくれたのが嬉しかったそうだ……
 それで、頻繁に会うようになったらしい……」

「そうですか……」

「実のところ、君より茶虎君の方が、会っている回数が多かったらしい。
 それで、犯行に及んだのは、茶虎君ってなってしまったんだ」

「そうですか……」


俺は、ゆっくりと息を吸い込んだ。
俺は、玉藻を幸せにしてあげることが出来たのだろうか?
もっともっと幸せにしてあげたかった。
どうして、俺は忘れてしまったんだ。

悔しくて涙がこぼれた。


※この物語は、フィクションです。


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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 [マイミクのtamaさんが殺されたそうです。]

11月22日


今日は、晴れ。
でも、寒い。


昨日、面接の応募をした所から2社返事が来た。


2社とも書類選考通過しました。


木曜日と金曜日に面接に行ってきます。


今から、物凄く緊張しています。


真田清継の犯行が、認められたのにも関わらず、家の前には、ゴミが散乱していた。


俺は、そのゴミをゆっくりと片づけていると幸雄さんに声を掛けられた。


「ちょっといいかい?」

「あ、幸雄さん。
 おはようございます」

「おはよう。
 こんな時間にすまないな」


幸雄さんは、口元をゆっくりと緩めた。


「いえ……
 どうしたんですか?」

「実は、玉藻の荷物を整理していたら、日記を見つけてね。
 それを君にも読んでもらおうかと思って……」

「……いいんですか?」

「是非、見てもらいたいんだ」


幸雄さんが、そう言ってカバンから日記を取り出し俺に渡した。


日記のタイトルは、“私と猫の日記”。

なんの捻りもない日記のタイトル。


最初の一ページ目を読んでみる。


 今日、ネットである人と出会う。
 その人は、私のことを覚えていないだろう。
 でも、私はずっと会いたかった。
 だから、会える日が嬉しい。


書かれていた日付は、俺と玉藻が初めて会った日付だった。
次のページには、こう書かれていた。

 やっぱり、猫は、私のことを覚えていなかった。
 だけど、中身は、そのまんまだった。
 中身が変わっていないのは、それはそれで問題だが、私は、そのことが嬉しかった。


俺は、日記をパラパラと日記を読んでいく。


 猫にプロポーズされた。
 嬉しかった。
 これで、一緒になれる。
 ずっと一緒だ……


あれ、俺って、玉藻と以前にあったことがある?

俺の初恋は、“タマ”と呼ばれる女の子。
あれ?
そう言えば、佐久間……

玉藻のことを“タマ”と呼んでいたような……


「これ、もしかして、俺、玉藻と以前に知り合ったことが……?」

「ああ、私もびっくりだ。
 あの時の子が君だったなんてね……」


明日へ続く。

※この物語は、フィクションです。

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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 [マイミクのtamaさんが殺されたそうです。]

11月21日


今日は晴れ。

でも、寒い。
流石、11月も後半。


今日の朝、5時。

電話があった。


「人殺し!
 お前も死ね!」


昨日と同じ女の人だった。


誰かは、わからない。


「貴方は、誰ですか?」


俺の質問に答えることなく、その女性は電話を切った。


腹が立つけど、俺は、また眠ることにした。


そして、朝の10時過ぎ。

今度は、携帯に佐久間から電話があった。


「なんだ朝から……?」

「今日、公安が、動いた」

「うん?」

「だから、公安が動いたんだ!
 これで、真田清継を逮捕することができる」


真田清継。

大阪府知事である真田 宏の息子。

そして、佐久間曰く玉藻を殺したであろう犯人だ。


「ってか、そんな情報流していいのか?」

「今、テレビ見てみろ。
 読売テレビだ。緊急記者会見が、開かれている!」

「あ、ああ……」


俺は、テレビをつけてチャンネルを読売テレビにかえた。


すると真田府知事が、頭を下げている。


「これって、確定なのか?」

「ああ……
 確実な証拠をこっちが掴んだ」

「……」

「どうした?」

「なんか、腰が抜けた」

「とりあえず、報告したぞ?
 こっちは、誤認逮捕の件で色々ドタバタしている」

「ああ。
 ありがとう」

「すまなかったな……
 ひどいことをたくさん言って……」

「ああ」


『気にするな』とは、言えなかった。

佐久間への恨みはない。
ただ、こう言うのはなかなか消えないものなのだ。


※この物語は、フィクションです。

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