SSブログ

ネガティブ男とボジティブ女 [ネガティブ男とボジティブ女]

10月24日


俺は、勇希を出して聞いてみた。
いつものようにはるかさんが、ベッドに入って来た。
逃げられないように俺は、はるかさんの手を握り締めた。


「ねぇ。
 どうして、俺を拾ってくれたの?」


はるかさんは、表情を曇らせた。

そして、ゆっくりと息を吸い込み俺の目をじっと見た。


「亜金さんのお父さんとお母さん自殺したでしょ?」


何故かは、わからない。
はるかさんは、俺の両親が自殺した事を知っていた。


「どうして知ってるの?」


俺は、思わず聞いてしまいました。


「その自殺。
 私が、関係しているの」

「どういうこと?」

「ご両親が自殺した原因って知ってる?」

「ううん……」


俺の両親は、ゲームの開発を行っている小さな会社の社長と副社長だった。


「私の会社が、貴方のお父さんの会社から取引先奪ったの。
 仕事とは言え、酷い奪い方をしたと思う。
 その取引先を奪った途端、他の取引先は、貴方の会社から撤退。
 その数ヶ月後、ご両親は自殺したの」


突然な情報に俺は、戸惑いました。
でもこれは、はるかさんの責任ではないと思う。


「はるかさんの責任じゃないよ」


俺が、そう言うとはるかさんは、ボロボロと涙を流しました。


「ごめんね。
 ごめん……ごめんなさい」


俺は、はるかさんの体を抱きしめる事しか出来なかった。
抱きしめれば、俺も泣いている所を見慣れないだろう……
俺は、そんな事を思いながら、はるかさんを抱きしめた。

そっか……
責任を感じて、俺の住所を調べてマンションを見つけ、俺を拾ったのか……
俺の中の全ての謎が、溶けた気がした。


明日へ続く

※この物語はフィクションです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

余命宣告疲れた~~ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。