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ネガティブ男とボジティブ女 [ネガティブ男とボジティブ女]

10月31日


今、俺は、温かいベッドで横になっています。
これは、昨日の夜の事。
行く所が無い俺は、無意識のうちにあのマンションの屋上で、星を眺めていました。



「やっぱりここに居た。」


はるかさんの声が、後ろから聞こえました。


「はるかさん?」


俺が、振り向くとそこには、パジャマ姿のはるかさんが居ました。
足を見ると裸足でした。


「どうしてここに?」

「“どうして”じゃないわよ!」

「あんなのを残しておいて!」


はるかさんは、じっと俺の目を見ている。
そして、ボロボロと涙を零し、俺の胸に飛び込んできました。


「どうして、私から離れようとするの?
 パパもママもお兄ちゃんも……
 そして、貴方まで……」

「俺は……
 俺が、傍に居るとはるかさんが傷つく……」

「え?」

「だって、ずっと後悔してるんだろ?
 俺の両親が死んだ事……」

「私は、傷ついてなんかいない!」

「……」


俺は、何も言えませんでした。


「戻って来て……私の元に……
 貴女の望む事、なんでもするから……」

「わかった……」


俺は、頷くとはるかさんの体を抱きしめた。
冷たい風が、俺達を包み込む。
でも、はるかさんの体は温かく、寒さなんて感じなかった。

だけど、俺の頭は痛かった。
俺の体が、ゆっくりとはるかさんの体にもたれかかる。

そして、俺の意識は、そこで途切れた……

気がついた時、俺は、病院のベッドの上に居ました。

頭の痛みが消えません。
俺は、明日、27歳の誕生日を迎える。
その日、とんでもない宣告を受けるなんて考えても居なかった。

物語は、『余命宣告』へと続く……



※この物語はフィクションです。

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