小説:片思い～ずっと好きと言えなくて～

2月28日

今日で、2月も終わり。
あっと言う間に2月が終わった。

今日の朝、はるかさんとカイが、心中をした事がニュースで流れていた。

仕事が終わると、刑事さんが待っていた。
職場の前で待っていました。


「また事情聴取ですか？」

「すまないね。
　こちらも仕事なんだ」


俺は、そう言われ車の中（後部座席）へ運ばれた。


「……話をしてもいいか？」


刑事さんが、運転しながら俺に聞く。


「……どうぞ」

「君は、カイの子を預かっているね？」

「……はい」

「どういう経緯で、その子を預かる事になったんだ？」


俺は、はるかさんが、子供を置いて出かけて行ったきり帰ってこなかった事を伝えた。


「そうか……」

「英字は、どうなるのでしょう？」

「このまま行くと、施設行きだな……」

「俺が、預かる事は出来ないのでしょうか？」

「赤の他人の子だぞ？
　経済的にも君に育てられるとは思えない」

「そうですよね……」


俺は、少し泣きたくなった。
俺は、4月から無職になる。
そんな俺が子供を育てるなんて出来ない。
そんなの解っていた。


「それに……
　君には、誘拐の疑いも掛かっている」

「え？」

「こういう場合、すぐに警察に電話すべきだったな……」

「そんな……」


俺は、言葉を失った。
なんて言ったらいいか、わかんなかった。
心の中で、何かが音を立てて壊れる。


「だが……
　俺達警察も鬼じゃない。
　誘拐での立件はしない。
　だけど、子供を育てる事は難しいだろう……」

「英字の本当の母親は、どうなんですか？
　見つからないのですか？」

「検討はついている。
　今も我々もその線で交渉中だ」

「そうですか……」

「もしかしたら、君にも協力してもらう事になるかもしれない」

「協力？
　英字が、幸せになるのなら何でもします」

「ありがとう」


俺を乗せた車は、警察署に向かう事なくマイさんの家へと送られた。


「また、明日な」


刑事さんは、そう言って車を走らせてその場を去った。

また、明日か……
明日は、仕事が休みだ……
折角の休みなのに辛いな……


※この物語は、フィクションです。

タグ：ずっと 亜金 小説 片思い 好き 言えなくて

コメント 2

ご訪問ありがとうございました！

by ayasolo (2011-02-28 22:58) 

ayasoloさん


こちらこそ、ありがとうございます＾＾
by 亜金 (2011-02-28 23:27)