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小説:片思い~ずっと好きと言えなくて~ [小説:片思い~ずっと好きと言えなくて~]

3月17日

明日、仕事に行けば、5連休です。
がんばるぞー


さて、由香さんが英字のお母さんって、どういうことなんでしょう?
俺は、由香さんに尋ねました。


「由香さんが、英字のお母さんなの?」


由香さんは、コクリと頷きました。


「どうして、今まで黙っていたの?」


由香さんは、何も答えません。


「確か、アルコール中毒って、はるかさんから聞いたけど……」


由香さんは、首を横に振りました。


「それは、嘘。
 カイが、英字を育てる権利を得る為に作った嘘……」

「カイは、どうして、そんな嘘をついたの?」

「わからない……」

「虐待していたくせに、育てる権利を得ようとしたの?」

「そうね……
 そこは、私のは、わかんない。
 私は、英字と会う事も見る事も許されなかったから……」

「そっか……」


あまり深くは、聞かない事にした。
たぶん、聞いてはいけない事だと思うから……


「怒らないの?」

「何を?」

「英字の本当の親だってことを隠していた事……」

「どうして、黙っていたの?」

「言えば、怒られると思ったから……」

「怒らないよ……」


俺は、そう言ってため息をついた。


「そうね……
 亜金君は、怒らないよね……」

「うん」


俺は、コクリと頷く。
そして、視線を養護施設の方に映した。


「じゃさ……
 英字は、由香さんが、育ててもいいのですか?」


俺は、養護施設の方に尋ねた。


「本当の親ですし。
 アルコール中毒でもないようですし、問題は無いと思います」

「そっか……
 よかった……
 英字と離れ離れにならなくて済む……」

「亜金君……」

「うん?」

「ごめんね……」


由香さんは、大粒の涙をこぼした。
それは、大きな大きな涙だった。


※この物語は、フィクションです。

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