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小説:片思い~ずっと好きと言えなくて~ [小説:片思い~ずっと好きと言えなくて~]

3月29日

今日は、この仕事最後のお休みです。

明日と明後日行けばお仕事は終了です。
少し寂しいです。

今朝起きると由香さんは、すでに家を出ていました。
英字は、まだ眠っていました。

朝6時に目を覚ましたのですが、その時にはもう居ませんでした。

由香さん……

俺、避けられてるのかな?

そう思うと泣きたくなった。
俺が泣きたくなると英字が泣きだした。

俺は急いで英字の元に駆け寄った。


「あーきー!」


英字は、俺の姿に気づくと再び泣きだした。


「どうした?」

「まんま……」


英字、言葉の意味も理解しだしたのかな?
これって、凄い成長だと思う。
こういう成長を見れなくなるのは、滅茶苦茶辛いな……


「ただいまー」


昼の12時を過ぎた頃。
由香さんが帰ってきました。


「由香さん?
 おかえりなさい。
 仕事は?」

「仕事は、今日はお休み貰った!」

「忙しいんじゃ……?」

「ずっと残業して、今日は朝早くに行って、仕事終わらせてきた!」

「え?」

「だから、今日と明日と明後日は、思いっきり英字と遊ぶ!」

「そっか……」

「うん」

「俺……」


出て行った方が良いよね?
俺は、意を決して言葉を言おうとした時、由香さんが鞄からクリアファイルを取り出しました。


「はい」


そう言って、俺の手に置きました。

そのクリアファイルには、『婚姻届』と書かれた紙が入っていました。


「これって?」

「婚姻届だよ。
 ずっと一緒に居てくれるんだよね?
 英字と一緒に居てくれるんだよね?」

「うん」

「だったらお願いします」


由香さんが、真剣な目で俺を見る。
俺は、コクリと頷く。


「じゃ、サインお願いします」


俺達は、婚姻届にサインした。





※この物語は、フィクションです。

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