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ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

6月8日


昨日の夕方。
ホテルに着いた。
そして、2人っきりになった頃合いを見て、直美ちゃんに千春を紹介した。
直美ちゃんは、驚いた様子もなくただ平然と頷いた。


「そかー
 悪霊だったら、退治しなきゃいけないと思ったんだけどー
 その必要は、なさそうやねー」


直美ちゃんは、ギャル語と関西弁が混じった様な言葉で言った。
直美ちゃんの言葉は、何語なんだろうかと最初は思ったが、今は普通に聞いている。


「悪霊じゃないよ。
 まぁ、本人は浮遊霊と言ってるけど」

「……うん
 私は、浮遊霊だよ。
 最近、亜金の日記には、全然登場しないけど……」


千春は、残念そうに言った。


「日記?
 マダオ、日記書いてるの?」

「うん」

「その名も、『ニートライターの事件簿!』
 事件らしい事は、あんまり起きていないけどね」


千春は、そう言ってケラケラと笑った。


「事件が起きない事は、平和な証拠だ……」


俺が、そう言うと直美ちゃんがケラケラと笑った。


「そうやね。
 でも、お爺ちゃんと連絡が取れなくなったのは事件やね」

「大丈夫。
 お爺ちゃんは、きっと元気さ……」

「うん!
 マダオは、良い事言うね」


直美ちゃんが、ニッコリと笑う。
こうやってみると直美ちゃんって結構美人さんなのかも……
ってか、直美ちゃんって、お爺ちゃんっ子なんだな。
そんな事を思っていると、直美ちゃんが寂しげに答える。


「私、お父さんやお母さん居ないからさー
 お爺ちゃんだけが、家族なんだー」

「え?」


俺は、目を丸くさせて驚く。


「亡くなったの?」


千春が、尋ねた。


「うんん。
 私を捨てて失踪したの」


直美ちゃんが、切なそうに語る。

その声は、切なく消えてしまいそうだった。


※この物語は、フィクションです。

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