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ニートライター亜金の事件簿 [日記]

7月16日


朝、5時に目を覚ます。
もう一度眠ろうとした。

だけど、眠れない。


俺は、ゆっくりと立ち上がると服を着替えた。

そして、神社を何週か走った。

何周走ったは数えていない。
ただ、じっとなどしていられなかった。


時計の針を見た、5時30分。


30分走ったのか……

どうりで疲れる訳だ。


俺は、心臓破りの階段に腰を掛けた。

走りコースにこの階段が無くてよかったと思う。


「少しは自分の能力についてわかったかのぅ?」


後ろから声が源爺の聞こえる。
振り向くと階段の上にホウキを持って立っていた。


「いえ、全く」

「ちと早いが、開花してみるか?」

「え?いいんですか?」

「まぁ、普通は体力を作ってから開花に耐える能力を見つけるのじゃがな。
 昨日一日見て、亜金君の能力を調べた結果……
 亜金君の能力は、アクティブじゃなくバシップのようだ」

「アクティブ?バシップ?」

「アクティブと言うのは、自分の力量に応じて能力があがる攻撃や補助、回復と行った能力の事じゃ。
 バシップと言うのは、何もしなくても能力があがるようなモノじゃな」

「何もしなくても、能力があがる?
 それって、変身しなくても最初から仮面ライダーって事か?」

「まぁ、そんな感じじゃな。
 ちなみにアクティブスキルの中には、“ヒーロー”と言って一瞬で服が代わりパワーアップするやつもいるぞ?」

「かっこいいですね」

「で、お前さんの能力じゃがな」

「はい」

「“脱力”じゃ」

「はい?」

「だから、“脱力”。
 存在するだけで、相手の能力を半分以下下げることができる。
 範囲や下げる値は、お主のレベル次第じゃが……」

「地味ですね……」

「地味じゃな。
 物理攻撃に関しては、ダメージを受けるしの」

「闘えないですね」

「それは、お主の修行次第じゃ」

「うむむ……」

「明日、能力の開花を行うぞ?」

「これって、開花するとどうなるんですか?」

「お主の場合、“脱力”レベルがあがるようになる」

「レベル?」

「さっきも言ったようにお主のレベルが、高ければ高くなるほど相手の能力が下がる事になる。
 脱力の良い所は、どんな相手にも通用するって所じゃな」

「そうなんですか……」

「さて、飯作るぞ」

「あ、はい」


そうして、俺は明日、開花を受けることになった。


※この物語は、フィクションです。


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