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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

12月3日


さて、どうしたものか……
外は、雨模様。

今にも降りそうだ。

そして、残念なところに宿がない。

昨日、今日と、余は寝ておらぬ。

そろそろ現世にも飽きてきた……

かと言って、戻れば、親父殿から灸をすえられるだろう。
あとカリスファーから小言を6時間は聞かされるな。

小言を言う時間があるのなら自分で揉んで少しでも貧乳を直すべきだ。


余は、今、暇を持て余している。

さて、どうするべきか……


「ちょっとそこのお兄さん」


小腹も空いたことだし、何か食うか……
余は、ポケットを探った。

落雁(らくがん)しかなかった。


「お兄さん」


困った。

余は、落雁が、この世で一番嫌いなのだ。

なぜ人間は、供え物にと落雁を入れる?

あんな甘いモノ毎日食べたら、糖尿病になってしまうわい!

人間には、そんなこともわからぬのか……?


「おい!
 兄ちゃん!
 無視も大概にしておけよ!」


男が、数人余の前に現れた。


「もしかして、“兄さん”と言うのは、余のことか?」

「他に誰がいるんだよ?」

「……うむむ」

「兄さん、金出せ」

「持ってない」

「ああ!?
 ポケットに小銭くらいあるだろうが?」

「ポケットの中には、落雁しかない。
 ちなみに余のポケットは、叩くと増える魔法のポケットだ」

「あ?なんだよそれ!」

「なぬ?
 主らは、落雁もしらぬのか?
 食うか?不味いぞ?」

「不味いんならいらねぇ!
 っていうか、早く金を出せ!」


男が、余に拳をぶつけようとしてきた。
そんなモノにあたる余ではない。


「む?
 これは、もしかして“カツアゲ”と言うものか?」

「あ??」

「余が許そう。
 余に金を差し出すことを……」


※この物語は、フィクションです。


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