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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

12月5日


「と、言うわけで、余のことは親しみを込めて“神様”と呼ぶことを許すぞ」


余は、学校にて自己紹介たるものをした。


静まり返る教室。
見知った顔の娘がいた。


「あ……」


娘は、余の顔を見るなり目をキラキラと輝かせている。
輝きすぎてその視線が熱い。
そして、教科書で顔を隠している娘。
あれは、万桜だな。

「あー。
 どっかで見た顔だと思えば、下僕Aではないか」


万桜のことなど無視して、娘に話しかけた。


「下僕じゃないよ!」


下僕が、怒鳴る。
大人しそうな顔をして頑張りおる。


「もしかして、弓月さんと大主君は、知り合いなの?」


大主 神(おおぬし かみ)。

それが、人間の世界の世の名前だ。


「えっと。
 知っているというか、なんというか……
 不良に絡まれているときに助けてもらったというか……」

「へぇー
 大主君は、強いのか……」


担任が、そう言ってニッコリと笑う。


「はい、不良達を一瞬で倒しました」

「じゃ、知り合いってことで、弓月さん。
 大主君のことを頼んでもいいかな?」

「は、はい!」


娘は、嬉しそうに頷く。


「娘よ。
 頼んだぞ」


余は、胸を張って答えた。


「なんで、偉そうなのよ……」


万桜が、小さくつぶやいた。


「黙れ貧乳」


余が、そう言うと万桜が、光速の速さで竹刀を余の首元に当てる。


「流石、万桜。
 貧乳の癖にやりおるな」


万桜の頭に、イラの文字が浮かぶ。


「次、貧乳と言ったら殺すわよ?」

「わかった。
 貧乳」

「仲がいいんだね」


娘が、そう言ったので余は、こう答えた。


「仲良しだ」


万桜の目が光った。
神の余でも少し怖いぞ。

※この物語は、フィクションです。


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