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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

12月30日


余の心は今、満たされている。
何故なら、我が神生(じんせい)において大掃除というモノは、生まれて初めての経験だったからだ。


真由のご両親や真由の祖母たちは、余にいい印象を与えたみたいで、晩御飯&お風呂&お泊り。
こんな初体験まで済ませることが出来てしまった。

朝食も頂いた。

大掃除が、まだ残っているらしいので、余は、それを手伝うことにした。

名も知らぬ神像の体を拭くと言う行動もやらせてもらった。

この神は、この世には存在しない。
そんなことは、わかっていたが、余は一生懸命に神像を拭いた。

その後に、床拭きと廊下の掃除。
そして、風呂掃除も手伝った。

余の心は、激しき満たされているぞ。
皆で、居間で、お茶を飲んでいた。
休憩タイムと言うやつだ。
余が、余韻のお茶を楽しんでいると真由が話しかけてきた。


「神様、なんかごめんね」

「ぬ?何がだ……?」

「泊まり込みで働かせてしまったみたいで……」

「真由が、気にすることではない」

「でも……」

「余は、嬉しかったぞ」

「え?」

「余は、生まれてこのかた、大掃除というモノを経験したことがない。
 だから、斬新で新鮮でなかなか温かかったぞ?」

「大掃除したことがないの?」

「ああ。
 やるとしても簡単な整理整頓だけだ」

「へ、へぇー」

「それにな。真由。
 家族で食べるご飯は美味いんだな」

「え?
 神様、家族とご飯を食べたことないの?」

「ない!
 元より生まれてしばらくすれば、両親は仕事で滅多に家に帰らず。
 赤子の時を除けば、余は一人いで飯を食っていた」

「そ、そうなんだ……」

「だったら!
 いつでも、ご飯を食べに来なさいな」


真由の母親が、ニッコリと微笑む。


「ぬ?」

「そうだな。
 ご飯は、みんなで食べるのが美味しい」


真由に父親も、ニッコリと微笑む。


「いいのですか?
 迷惑だったりとか……」


余は、一応、敬語を使った。
見た目は、余の方が若いかからな!


「いいのよ。
 この子が、友達を家に連れてくることなんて滅多にないのだかから……」


真由の母親は、そう言って茶を俺のコップに淹れてくれた。


「なんなら、大晦日と正月も手伝ってくれ」


真由の祖父がそう言った。
余は、暇なので、それを快く承諾した。


※この物語は、フィクションです。

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