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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

12月31日


今日で、今年は終わるらしい。

いわゆる大晦日だ。

今頃、アザゼルやカリスファー達は、仕事の準備で大忙しなんだろうな。
今日と明日は、一年の間で最も願い事が届く日だ。

余たち願い神チームは、この時期が一番忙しい。

でも、余は余で忙しいぞ。

手打ちそばを作った。


真由の家のご飯は美味い。
神社と聞いたから、落雁(らくがん)ばかり食べているのかと思っていたら……

昨日の夜は、カレーだった。

うむ。
カレーは、美味かったぞ。
少し辛くて涙がこぼれたが……
美味であった!


手打ちそばは、そば粉をコネコネしてそばを切ってそばを湯がいて出来上がり。
細かな調理方法は、割合させていただく。


余はこう見えて料理は、得意だ。
そこそこの主婦には負けない程度の腕前を持っているぞ?

一人暮らしが、長いからな。

自然と料理の腕もあがった。

なにせ、余の料理歴は、100の年月を遥かに超えておる。

供え物は、全部食べないといけないことになっているのだが……

落雁と生野菜と米ばかりだ。
酒は飲まなくても良いことになっている。

余は、下戸なのだ。
だから、酒は飲まない飲めない呑まれない。

そして、もう少ししたら余たちは、昼ご飯を食べる。
夜に向けて力を温存しなければならぬからな。


余は、そっと天井を見た。
木でできた家は、余の借りているアパートと違って落ち着くな。


「神様……ごめんね」


真由が、そっと呟く。


「何を誤る?」

「私の両輪のわがままに付き合わせてしまって……」

「気にするな。
 余の心は満ち足りているぞ」

「そっか……」

「昨日も言ったが、余には家族がいない。
 だから、こういう家族の温もりと言うモノは楽しいモノなのだ」

「そっか……
 なら、よかった……」


真由は、ゆっくりと苦笑いを浮かべた。


「だから、何も気にすることはないぞ。
 余は、感謝したい所だ……
 無い乳娘にな」


余がケタケタ笑うと真由は、口を尖らせていった。


「……あるもん」

「そう、それが主らしい。
 ボケたらツッコんでくれる。
 これほど、幸せなことはないぞ……」


余が、そう言うと真由は、満足げに笑った。


※この物語は、フィクションです。

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