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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月5日


月曜日。
雨だ、すこぶる雨だ。


余は、傘を持って学校に向かう。
子猫が居た。


子猫が、余の足にすり寄ってくる。

余は、しゃがみ子猫の喉を撫でる。


「にゃー」


子猫が鳴く。


「……主はひとりか?」

「にゃー」

「そうか……」


猫だから返事は、「にゃー」としか答えない。
答えれないと思っていた。


「主もひとりなのか?」


子猫が喋った。


余は、警戒するも子猫には、殺気が無い。


「余には、友達がいるぞ」

「そうか……
 なら、戻る気はないのだな?」

「主は、何者だ?
 アスペルガーか?」

「アスペルガー?我はそのような名のモノなど知らぬ。
 声を聴いてもわからぬか?愚かなる息子よ」


余には、この声に聞き覚えがあった。
余には、この声のことを少し知っていた。


「……父上殿か?」

「うむ。
 父は、心配してこの獣の体を借りて主と会話している」

「……」

「悪いことは言わん。
 戻ってこい。現世は、これから少し荒れる」

「……さっきも言ったように余には友達がいます。
 その友人が行方不明……そいつを助けるまで余は逃げるわけにはいかないのです」

「そうか……
 なら、少し強引な方法を使って主を迎えに行くとしよう」

「強引?」

「今すぐにとは言わん。
 暫く考える時間をやろう。
 では、これ以上は、この獣の体の負担になるのでな……
 さらばだ」

「……」

「にゃー」


子猫が、余の元から離れる。
父上殿も現世に来るのか?
父上殿なら亜金を探すことが出来るかもしれない……
父上殿に亜金探しを手伝ってもらうか?

余は、どうすればいいのだ……

※この物語は、フィクションです。

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