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亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月23日


昼休み1人になりたくて学校の裏山に1人で向かう。
そこで、パンをかじっていると玉藻が現れた。


「玉藻?
 どうしてこんなところに?」

「亜金の姿が見えたからな……」

「そっか……」

「ああ、元気がないみたいだが何があった?」

「いや……
 何にもないよ」

「そうか?」

「なんにもないから元気が無いのかもしれない」

「どういうことだ?」

「小さいころのことが思い出せないんだ」

「小さいころのこと?」


玉藻が、首を傾げる。


「うん。
 小さいころ俺は、友達がいたんだ。
 俺にとって最初で最後の友達だったかもしれない。
 その友達のことが思い出せないんだ」

「まぁ、小さいころのことだろ?
 私も小さいころのことは、覚えていないぞ」

「でも、心がチクチクと痛いんだ。
 その子からは、大事なモノを貰ったはずなのに……」

「大事なモノ?」

「うん。
 “友人帳”と書かれたノートなんだけど……」


俺は、そう言って玉藻にノートを見せた。


「そっか……
 覚えていないんだな……」

「え?」

「いや、なんでもない」

「……?」

「私も、一緒に昼を食べてもいいか?」

「え?」

「私も弁当を持ってきた」

「そっか……
 じゃ、一緒に食べよう」

「ああ……」

俺は、玉藻と一緒に昼食を食べた。
玉藻が、少しおかずを別けてくれた。
玉藻が作ったおかずは、思った通り美味しかった。

昨日もレタスチャーハンをご馳走になったけど、あれも美味しかった。


「そう言えば玉藻。
 お茶淹れるの上手いんだって?」

「ああ、みんな美味しいと言ってくれる」

「そっか……」

「飲むか?」

「え?」

「今度、またウチに来い。
 ご馳走してやる」

「ありがとう」


玉藻のお茶、楽しみだな。


※この物語は、フィクションです。

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