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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月31日


言われるがままに俺は、玉藻の剣をイメージした。
すると俺の周りに9本の刀が現れた。

9本の刀は、俺の周りをくるくると回っている。


「これで、完成です」


葛城さんは、ニッコリと笑い拍手をしてくれた。


「これが、玉藻の力……」

「はい。
 以上で貴方の覚醒は終わりました。
 明日から、少しずつ力の使い方の勉強を学んでもらいます」

「明日から?」

「シックスセンスを解放した日は、疲れているはずです。
 なので、今日はお帰りになってもよろしいです。
 また、明日来て下さい」

「わ、わかりました。
 玉藻、帰るぞ」

「あ、ああ……」


玉藻は、状況を理解していないようだったが、俺と共に海藤家の家を出た。


「いきなり呼んでごめんね……
 びっくりしたよな?」


俺と玉藻は、あの戦闘があった公園で話をすることになった。


「それよりも、友人帳を使ったことに驚いている。
 友人帳は、召喚契約書だからな、妖怪専門だが人も召喚できるようになる」

「そうなの?」

「だから、悪用されると色々ヤバいのだ」

「そっか……」

「亜金ちゃ」


後ろから笹鈴さんの声が聞こえた。
振り向くと笹鈴さんと座来栖君が立っていた。


「私たちの名前も友人帳に書かせて」

「え?」

「お前は色々危なっかしいからな。
 いつでも召喚できるようにしてくれ」


座来栖君が、そう言って手を出す。


「う、うん」


俺は、友人帳をカバンから出すと座来栖君に渡した。
座来栖君は、友人帳に名前を書く。
そして次に笹鈴さんも自分の名前を友人帳に書いた。


「これで、俺と笹鈴は、亜金と契約を交わした。
 困ったことがあれば、いつでも呼んでくれ……」

「あ、ありがとう」

「気にするな」


俺は、大きな力を得た。
これが、この先、戦いに巻き込まれることは俺は知る由もなかった。


第一部・完

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亜金友人帳 [亜金友人帳]

2012年5月30日


「魔王?」


俺は、思わず声を出してしまった。


「神様も召喚できるようになります」

「へぇー
 って、召喚するだけなんですか?
 それって、友人帳の効果と重複するんじゃ……」

「そうです。
 召喚士の能力が無い限り友人帳の力をを100%使いこなすのは不可能です。
 友人帳の恐ろしい力は、召喚させたモノの力を自分の力にすることができることです」

「それって、ゲームとかに出てくるシャーマンみたいなものですか?」

「流石坊ちゃまのご友人。
 勘が鋭いですね……」

「そ、そうなのか……
 なんか現実離れした世界で理解できないな……」

「そうですね。
 友人帳は持ってきていますか?」

「あ、はい」

「出してください」

「え?」

「大丈夫です。
 奪ったりはしませんから……」


葛城さんが、ニッコリと笑う。
ウソは言っていない。


俺は、カバンから友人帳を取り出す。


「誰かの名前は、書いていますか?」

「はい、1人だけ名前を書いています」

「じゃ、友人帳を持って、その人の名前を念じてください」


俺は、言われるがままに玉藻の名前を念じた。

すると友人帳が、輝きだす。

すると玉藻が、目の前に現れた。


「亜金、お前……
 友人帳を使ったのか?」


玉藻が目を丸くさせ驚く。


「うん」

「すごいじゃないか……」


玉藻が、ニッコリと笑う。


「次は、玉藻さんの力を使う練習です」

「どうやるんですか?」

「玉藻さんの武器は、尾の7つの剣。
 それをイメージするのです」


葛城さんが、そう言ったので俺はあの戦闘シーンをイメージした。


※この物語は、フィクションです。


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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月29日


「では、このイクシルに触れてください」


葛城さんが、そう言って出した宝石が、綺麗に輝く。


「イクシル?」

「シックスセンスに目覚めるための宝具です」

「触れるだけでいいんですか?」

「はい。
 あとはなすがままです」

「わかりました」


俺は、ゆっくりとイクシルに触れようとした。


「あ!」


葛城さんが、声をあげる。


「どうしたんですか?」

「イクシルに認めてもらえないと死ぬ場合があるので、そこは注意してください」

「え?
 死ぬのですか?」

「でも、詩空さんなら大丈夫です」

「えっと……」

「さぁ、どうぞ触れてください」


死ぬのは大げさだよな。
宝石に触れるだけで死ぬなんて聞いたことがない。

俺は、恐る恐るイクシルに触れた。


するとイクシルが、輝きだす。


「ほう……」


葛城さんが、頷く。

それと同時に俺の意識が遠くなっていく……


「イクシルの輝きは、その人の魔力に反応して輝きます。
 詩空さんの潜在能力はかなり高いと言えるでしょう。
 さ、そろそろ離してもいいですよ?」


葛城さんのその言葉が耳に入ってくる。
俺は、イクシルから手を離した。


「……疲れた」


俺の口からこぼれたのはそんなセリフだった。


「お疲れ様です」

「こんなんで、覚醒できるんですか?」

「貴方の場合すでに覚醒はしているんです」

「え?」

「妖怪、見えているのでしょう?」

「見えますが……」

「あとは力を使いこなすだけです」

「俺の力ってなんなんですか?」

「イクシルの色が、紫色に輝いているでしょう?」

「はい」

「これは、貴方の力が召喚士であることを示しています」

「召喚士?
 魔王でも召喚できるのですか?」


俺が、冗談ぽく言うと葛城さんは、ニッコリと笑った。


「契約さえ結めば魔王だって召喚できるようになりますよ?」


※この物語は、フィクションです。


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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月28日


今日は、月曜日。
土日が休みだっただけで長い間学校に来ていない気分だった。
今日は、この間の学校へのテロの事件の調査の為、授業は午前中だけだった。
俺は、海藤に呼び出され海藤と共に海藤の家へと向かった。


「ここが、海藤の家か?」


俺は、驚いた。
海藤の家、大きすぎる。


「そうだよ」

「もしかして金持ち?」

「一応、領主だよ」

「そっか……」

「まぁ、入ってよ」

「ああ……」


俺は、海藤に家に招かれた。
そして、沢山の和服を着た男女がいる場所へと案内される。


「坊ちゃま。
 この方が例の……?」


ひょろっとした男性が、海藤に話しかける。


「そうだよ。
 詩空亜金君」

「わかりました……
 では、私が案内しましょう」

「じゃ、詩空君、僕はこれで……」

「あ、ああ……」


海藤は、僕に手を振ると部屋の奥へと消えていった。


「詩空様。
 貴方はこちらへ……」

「あ、はい……」


俺は、男性に案内されるまま小さな部屋に連れてこられる。


「さて、自己紹介が遅れました。
 私、葛城 岬と申します」

「あ、俺、詩空 亜金です」

「はい。
 存じ上げております。
 それでは、さっそく儀式の方をはじめさせていただきます」

「儀式?」

「シックスセンスを使えるようになるには、ちょっとした儀式が必要なのです。
 そんなに難しくないものだから気楽に構えてください」

「う、うん……」


俺は、小さく頷きその儀式を受けることになった。


※この物語は、フィクションです。

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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月27日


日曜日。

なんの変哲もない日曜日。

玉藻は、怪我の為、入院している。
そして、俺は海藤にもう一度呼び出しを受けこの間、戦った公園に向かった。


「やぁ。
 おはよう、詩空君」


海藤は、無表情で俺に挨拶をしてきた。


「ああ。
 おはよう」

「……単刀直入に言うね。
 友人帳を渡してほしい」

「それは、嫌だ。
 あれは玉藻からのもらい物だしな。
 それをお前に渡すのは玉藻に失礼だ」

「そうかもしれないね。
 そう言うと思った。
 でも、友人帳がある限り今回のような目に何度も合うことになるよ?」

「それでも、渡せない」

「頑固だな。
 これは、君だけの問題じゃない。
 詩空君の周りにいる人間にも迷惑をかけるんだよ?
 君があの時、僕に友人帳を渡してくれていれば多摩月さんは、傷つかづにすんだ」

「そうかもしれない。
 だけど……」

「渡せない?」

「そうだ」

「わかった」

「力づくでも奪うか?」

「今はしない。
 だけど、いつかはそうなるかもしれない」

「そうか……」

「それで一つ提案があるんだ」

「なんだ?」

「君にも妖怪と戦える力……
 シックスセンスに目覚めてもらおうと思う」

「俺にも出来るのか?」

「出来るよ。
 少なくても稲妻君くらいの力は、つけてもらう」

「どうやるんだ?」

「暫く僕の家に通ってもらう」

「海藤の家?」

「僕の家は、妖怪の退治屋なんだ。
 聞き覚えがあると思うけど僕は、白騎士団と言われている団長の息子なんだ」


白騎士団。

そう言えば、そんなことをアゲハが言っていたな。


「そうか……
 で、お前に何のメリットがある?」

「僕たちは、友人帳が悪用されることを防ぎたいだけだよ。
 友人帳は、名前を書かれた人を自由に召喚、命令できるアイテム。
 悪用されると非常に厄介。実は、召喚できるのは妖怪だけじゃないんだ」

「そうなのか?」

「うん。
 だから、君には目覚めてもらう。
 それが、嫌なら友人帳を渡してもらうよ」


仕方がない。


「わかった。
 俺も目覚めてみるよ」

「ありがとう」


海藤は、表情を変えずに頷いた。

※この物語は、フィクションです。

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