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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年06月10日


朝、いつものようにベッドで、横になっていると若い女性の看護師さんが俺の病室に入って来た・


「おはようございます。
 お目覚めのようですね」

「うん」


看護師さんは、慣れた手つきで俺の腕に点滴の針を刺した。



「上手ですね」

「そうですか?」

「いつもの看護師さんは、点滴が下手なんですよ」


それを聞いた看護師さんは目を丸くさせる。


「千代田さんが……ですか?」

「千代田??
 あの看護師さん、千代田さんと言うのか……」

「はい。
 詩空さんの担当は、私と千代田さんですから……」

「そうなのか……」

「ちなみに私は、春雨千春って言います。
 気軽に千春って呼んでくださいね」

「あ、はい。
 俺のことも亜金でいいですよ」

「はい。
 よろしくお願いしますね」


千春ちゃんは、ニッコリと笑う。


「では、散歩に行きましょうか?」

「ああ……」


俺は、その後、軽く散歩した。


「千代田さんは、今日は休み?」

「はい。
 実は、私、昨日まで姉と旅行に行っていたんですよ」

「そっかー
 どこに行ってきたんですか?」

「ハワイです」

「おー
 海外……
 看護師さんって儲かるの?」

「姉が医者をしているので、ほとんど姉に費用をだしてもらいました……」

「お姉さん、医者なの?」

「はい。
 この病院で、小児科と外科を兼ねているので、結構忙しいみたいです」

「そうなのか……」

「双子なんですけど、差がつくばかりで少し悲しいです」

「看護師さんも立派な仕事だよ」

「ありがとうございます」

「いえいえ」

「さて、そろそろ部屋に戻りましょう」


千春ちゃんと一緒に病室に戻った。
病室に戻ると、美紗が居た。


「どこに行っていたの?」

「散歩だよ」

「そう……」


美紗は、何処か寂しそうだった。


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