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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年07月13日


曇り。
13日の金曜日。
子供たちは病院内で怪談話をしている。

よりによって俺の部屋で……

カーテンを閉め。
電気を消して、部屋が薄暗い。

どこからもってきたのか、ロウソクを持ってきたのでそれは、俺が没収した。

1人1人が、怖い話をしているのだけど全くもって怖くない。
学校に花子さんがいるとか、二宮金次郎が、毎晩グラウンドを走っているとか……
そんな感じの話だ。


「亜金さん」


充君が、真面目な顔で俺の方を見る。


「どうした?」

「亜金さんも、何か怖い話をしてくださいよ」

「怖い話と言ってもなぁー」

「この中で唯一、学校を知っているのは亜金さんだけなんです。
 是非、何か怖い話をしてください」

「唯一って……
 充君たち学校は行ったことないの?」

「本当なら今年から1年生なのですが……
 学校って行ったことないんです」

「そうなのか……」


なんか、胸が熱くなった。


「そうだな……
 恐怖の餃子ってのは、どうだ?」

「それって、フタに餃子がついていたってヤツか?」


元太君が、目を細めて言う。


「知っていたか……」

「お兄さん、もっとないのー?」

「あんま怖い話は知らないんだ……」

「じゃ、学校の思い出話とかしてほしいな」


歩ちゃんが、そう言うと俺は、頭を悩ませた。


「そうだな……
 小学校の頃の話でもしようか……」

「聞きたい!」


歩ちゃんが、嬉しそうに笑う。
俺は、小学校の頃の話をした。


萌ちゃんの話。
太郎の話。
小太郎の話。


色んな話をした。
最初は、興味なさそうに聞いていた隼人君も耳を傾け聞いている。
愛ちゃんも楽しそうだ。


子供たちが喜んでいる。
学校の思い出話で、こんだけ盛り上がるんだから実際に学校に行ったら楽しいんだろうな。

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