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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年08月30日


今日は、ゆかりさんの小さなお別れパーティーを行った。
退院祝いと言うべきなのだろうか……
子供たちも集まっている。


「ゆかりさん、退院しちゃうの?」


歩ちゃんが、寂しそうな表情で、ゆかりさんを見る。


「うん。
 歩ちゃんたちとは、一旦お別れだね」

「寂しいですね……」


充君が、寂しそうに呟く。


「退院は、引き延ばせないのかよ……」


元太君が無茶なことを言う。


「退院することは、良い事……
 だって、病気が治ったってことだから……
 ゆかりさん、退院おめでとう」


愛ちゃんが、そう言って笑う。


「……おめでとうと言うべきかわかんないけどおめでとう」


隼人君が、ぼそりと言う。


「ほら、お兄さんも何か言わなくちゃ……」


歩ちゃんが、そう言って俺の服を引っ張る。


「えっと……
 なんて言っていいかわかんないけど……
 気が向いたら遊びに来て下さい」

「ありがとう」


ゆかりさんが、はにかむ。
気軽に遊びに来れる距離じゃないのは知っている。
赤ちゃんが亡くなっているので、「おめでとう」の言葉は、適性じゃないだろう。
だから、どんな言葉が適正かは、わからなかった。


「ライバル削減♪
 良い事♪良い事♪」


美穂が、そう言ってニヤニヤ笑う。


「美穂ちゃんもありがとう。
 仕事も休んできてくれて……」

「亜金にちょっかいを出さないように見張ってるだけだよー
 明日も休むんだからねー」


美穂が、笑う。


「ホント、ありがとう」


ゆかりさんが、目に涙を浮かべる。


「そんな顔されちゃったら、私まで涙が溢れちゃうじゃないの……」


美穂の目に涙が浮かぶ。

俺の知らない間に女の友情が芽生えたようだ……


良い事……


なのか?


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