まっしろなティスタメント（小説）

2012年09月14日


今日も朝から秘密の特訓。
俺は、たこ焼きを作り、たこ焼きマスターになる。

それくらいの気持ちで山本さんからたこ焼き作りを学んだ。


「亜金君。　
　今日は、ここまでだ」


朝の7時に起きて、たこ焼き作りを初めて現在11時過ぎ……


「もうですか？」

「うん。
　今日、ちょっと大きな検査をするんだ」

「検査ですか……」

「まぁ、いつもの定期検査さ……」

「そうですか……
　じゃ、俺は自主練しときます」

「そうか……
　それもいいだろう。
　材料はまだまだあるから、好きなだけ使っていいよ」


山本さんは、ニッコリと笑って調理室を出た。


さて、色々挑戦してみるか……


俺が、1人でたこ焼きを焼く。
ひっくりかえすのが難しい。
生地に醤油を入れたり鷹の爪を入れたり……
タコの代わりにソーセージを入れたり。

色々遊んだ。


色々遊んでいると私服姿の千春ちゃんが、調理室に訪れた。


「あ、亜金さんめっけ！」

「あれ？千春ちゃん、今日は私服ですか？」

「これからお休みなんだー
　萌萌でご飯食べようかと思ったけど……
　亜金さんのたこ焼き食べてもいい？」

「あ、うん。
　いいよー」


俺は、色んなたこ焼きが混ざった箱を千春ちゃんに渡した。
千春ちゃんは、真っ赤なたこ焼きを口に運ぶ。


「何これ……辛い！！」

「それは、きっとハバネロ入りのたこ焼きだね」

「ハバネロって……
　まぁ、いいや次は……この赤いたこ焼きぷツぷつのたこ焼きを食べよう！」


千春ちゃんは、涙を流す。


「これも辛い……
　鷹の爪入りかな？」

「亜金さんって、辛いの好き？」

「うん」

「じゃ、この黒いのは……」


千春ちゃんは、そう言って醤油が入ったたこ焼きを口に運ぶ。


「ダメだ……
　味がわからない……」

「あははは」

「わらいごとじゃない。
　このピリ辛の唇でキスするぞ？」

「どうぞどうぞ」


俺は、笑いながら楽しい午前を過ごした。