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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年09月16日


今日も朝7時に起きて、美穂と秘密の特訓をした。
秘密と言っても、エロいやつじゃない。


たこ焼きの特訓だ。


山本さんは、時に厳しく。
時に優しく。
真剣にたこ焼き作りを伝授してくれた。


「レシピは、昨日まとめてきたよ」


そう言ってファイルを俺に渡してくれた。


「あ、ありがとうございます」


ファイルには、たこ焼きの他、お好み焼き、焼きそばなどの作り方が書かれていた。


「この短期間にマスターできるかもしれないのは、たこ焼きだけだろう。
 でも、出来れば私の、お好み焼きや焼きそばの味も知って欲しい」


そう言って、小さなお好み焼きと焼きそばを作ってくれた。


滅茶苦茶美味しかった。


言葉で表現することは出来ない。


だけど、滅茶苦茶美味しかった。


「さぁ、たこ焼き作るぞ!
 今日は、強力な助っ人を呼んである」


山本さんが、そう言うと調理室に歩ちゃんたちと沢山の看護婦さんや患者さんが、入って来た。


「あ、お兄さん!」


歩ちゃんたちが、俺の方に近づいてくる。


「ど、どうしたんだ?」

「今日は、亜金さんが、たこ焼きを作ってくれるって聞いてやってきました」


充君が、そう言うと元太君が、お腹を押さえて言った。


「朝飯食ってないんだー
 早く兄ちゃん、たこ焼き作ってくれよー」

「わ、わかった……」

「亜金、頑張ろう!」


美穂が、エールを送ってくれる。


「うん!」


人前で作るのってこんなに緊張するとは、思わなかった。

でも、沢山作った。


100個以上は作ったと思う。


「おじさんのとは、違うけどお兄ちゃんのたこ焼きも美味しい……」


愛ちゃんが、嬉しそうに笑う。


「おじさんの足元にも及ばないけどね」


隼人君が、そう言ってたこ焼きを沢山頬張る。

人に食べてもらうってこんなに嬉しいモノなんだな……
俺は、この喜びを忘れないようにしよう。
そう心の中で誓った。


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