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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年10月02日


そろそろ半袖が寒くなってきたので、そのことを昨日、美穂に言ってみた。
そしたら、美穂は、長袖のシャツ数着と長袖の病院服を買ってきてくれた。

あぁ、俺ってもしかしてヒモ体質なのかな……

でも、まぁ、それは嘆いても仕方がない。


久しぶりの晴れの様な気がする。

子供たちも山本さんのことが、ショックらしく元気がないらしい。

はるか先生が、俺の病室に訪れ相談しに来た。


「子供たち元気がないんです」

「そうですか……」

「山本さんのことが、結構堪えたみたいで……」

「そうですか……」

「どうにかなりませんかね?」

「時間が、解決するって訳にもいかないんですか?」

「充君の手術日が近いんです。
 大きな手術って精神的なモノも左右されるので、心配なんです」

「充君、手術近いのか……」

「はい」

「そんなことひとことも言ってくれてないな……」

「亜金さんに心配をかけたくなかったのだと思います。」

「そっか」

「はい」

「俺に出来る事があればいいのですが……」

「やっぱ、千春ちゃんの言うとおり、亜金さんは優しい方なんですね」

「え?」

「普通、こんな話をしたら、『どうして俺に?』って聞いても可笑しくないんですよ」

「山本さんと約束したんです」

「え?」

「子供たちの笑顔を護るって……」

「そうなのですか……」

「だから、出来る限りあの子たちの力になろうってね。
 思うんだ」

「素敵ですね」

「え?」

「立派です」

「……ありがとうございます」


俺は、苦笑いを浮かべた。


「そう言えば、噂で山本さんのたこ焼きを亜金さんが、受け継いだって聞いたのですが……」

「確かに受け継いだけど……
 あ……!?」


俺は、突然思いついた。
はるか先生は、ニッコリと笑う。


「やってくれますか?」

「はい!」


そうだ、子供たちにたこ焼きを作ろう。
山本さんの味をプレゼントしよう。
俺は、すぐに千春ちゃんに事情を話し、買いだしに出た。

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