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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2012年12月25日


朝テレビをつけると『クリスマスの恋人たち特集』と言うものがやっていた。
女性が男に求める金額は、3万円以上、女性が男性に贈るプレゼントは、15000円未満。

と言う平均金額が出ていた。


プラスレスでいいじゃん?


と思う俺には一生彼女はできない。


「亜金」


玉藻が、機嫌悪そうに俺に話しかける。


「何?」

「朝、起きても何もプレゼントが無かったぞ?」

「え?」

「プレゼント……」

「玉藻、まだサンタの存在は信じてるの?」

「そうだな……
 亜金サンタを期待していた」

「と言うか、部屋に入っていいの?
 寝ているのに……」

「ダメだな」

「だったら無理じゃん」

「出せ」

「え?」

「プレゼント出せ!」

「ない」

「なら、買いに行こう」


賜物目が怪しく光る。


「うぅ……」


女性が男性に求める金額、3万円以上。
相当高いものをねだられるな……
そう思って俺は玉藻と一緒に心斎橋に出た。


「亜金、これ可愛いぞ」


玉藻は、そう言ってクマのぬいぐるみを俺に見せてくれた。


「よし!
 それを買ってやろう!」

「本当か?
 高いぞ!」

「いいよ。
 ぬいぐるみくらい……」

「亜金、ありがとう」


会計に向かった俺は、驚くことになる。

価格446700円


毛皮を使ったテディベア。
断る勇気もない俺は、結局玉藻にこれを買わされたのである。

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