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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2012年12月31日


みんなは、眠っている。
俺の隣には、杉浦さんが眠っている。


えっと、俺に何があったんだろう?


杉浦さんが、ゆっくりと目を開く。


「あ、亜金さん。
 おはよう」

「お、おはよう」


まず状況を整理しよう。
場所は、俺のベッド。


パンツは……

はいてる。

ズボンは……

はいてる。


うん、一線は超えていないみたいだ……
んで、問題が一つ。
俺の隣でどうして杉浦さんが眠っているんだ?


玉藻は?
玉藻は、どうした?


部屋をノックする音が聞こえる。


「あ、はい」


俺は、返事する。


玉藻が、ドアを開ける。


「亜金、昨夜は楽しんだか?」


何を楽しめたのだろう。
覚えてない……


「もしかして、昨日何があったか覚えてないん?」


杉浦さんが、目を潤ませる。


「え……?」

「ウチがキスしたら、亜金さん眠ってん。
 王子様のキスで目覚める女の子は知ってるけど……
 お姫様のキスで眠る男なんてはじめてやわー」

「そこまでは、なんとなくわかるけど……
 どうして俺の隣に杉浦さんが眠っているの?」


杉浦さんが、顔を赤らめる。


「ウチがわがまま言うてん」

「わがまま?」


俺が首をかしげた。


「『ウチが温めたベッドに亜金は、入れんのかー』
 って、騒いで大変だっただぞ……」


玉藻が、ため息交じりに答えた。


「えっと……」

「一線は、超えてないと思うから安心してええよ」


よく覚えていない。
なにか俺は勿体ないことをしてしまった気がする……

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