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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月21日

月曜日。
曇り。


今日も夕貴さんの病院に向かった。


「私の忠告は、聞き入れられなかったのかしら?」


すると待合室で女の子に声をかけられる。
知っている声だった。
夢ちゃんだ……


「夢ちゃん……
 悪いけど俺は、夕貴さんを護るよ?」

「貴方に護りきれるかしら?」

「どういう意味?」

「私には、何人も仲間がいるわ。
 この間の恋次もそうだし、卓も仲間……
 そんな私が、ひとりで来ると思う?」

「この間は、ひとりで来てたよね?」

「さぁ、どうかしら……?
 少なくても水菜瑞樹は、あの様子じゃ全然反省してないわね。
 だから、今日は、罰を与えに来たの……」

「罰?」


俺の頭に嫌な予感が走る。
俺は、夢ちゃんをその場に置いて、夕貴さんの部屋に向かった。

すると部屋の中には、海藤君と恋次がいた。
恋次が、夕貴さんの腕をつかみ、海藤君が夕貴さんの服に手を当てようとしていた。


「あれ……?
 もう、気づいちゃった?」


海藤君が、のほほんとした口調で俺の方を見て笑う。


「海藤君!
 夕貴さんから、離れろ!」

「恋次君……
 もう、その子捨てていいよ。
 徹底的にお姉さんに屈辱を合わせようと思ったけど、まぁいいや」

「わかった」


恋次は、そう言うと夕貴さんの身体を振り回すと俺の方に向けて投げつけた。
俺は、夕貴さんが怪我しないように受け取った。
夕貴さんは、気を失っていた。


「怪我したらどうするんだ!」

「玩具に怪我とかないだろう?」

「夕貴さんは、玩具じゃない!」

「その人の弟は、俺のことを玩具扱いだったけどね……」


海藤君が、俺を睨む。
俺も睨み返す。


「それは……」


俺は何も言えない。
夢ちゃんの言葉が頭をよぎる。
確かに、瑞樹君は、海藤君をイジメていた事を反省していない。
それどころか殺そうとしていた。


「言い返せないでしょう?
 亜金さんならわかるよね?
 イジメられる側の気持ちが……」

「……だから、復讐していい理由にはならない!
 それも関係ない人を巻き込んでまで!」

「イジメていい理由もないよね?
 そんなのイジメる側のいいわけだ!
 恋次君、今日は帰ろう……」

「ああ……」


恋次は、窓際の壁を叩くと壁が崩壊した。
そして、海藤君を背負うとその場を後にした。

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