SSブログ

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月07日


曇り。
目を覚ましたのは、8時半。
体が痛い……


服を着替え、リビングに向かうと玉藻が、紅茶を飲んでいた。


「亜金、おはよう」


苦笑いを浮かべる玉藻の目の下に青たんができていた。


「玉藻、その痣……」

「亜金、朝の挨拶は重要だぞ?」

「……おはよう」

「亜金も体中傷だらけだな」

「……うん。
 でも、玉藻に比べたらマシかも」

「お前の叫ぶ声……
 私の部屋まで聞こえたぞ?」

「ああ……うん。
 頭の中をかき回されてさ……」

「記憶を覗くギフト能力者か?」

「うん。
 それが、滅茶痛くて……」

「だろうな……」

「玉藻の方も酷かったみたいだね」

「ああ……
 そりゃ、凄かったぞ……
 男に殴られるは、体を触られるわ……」

「訴えれるんじゃ?」


玉藻は首を横に振る。


「無理だな。
 ギフト能力者の犯罪者への取り調べは、尋問に近い。
 最悪殺しても問題ないということになっているらしい」

「でも、俺たちはあの場にいただけで、あの男とは初対面だ……」

「ああ、それは私も何度も言ったが信用してもらえなかった」

「まぁ、あんだけ死者が出ているんだ……
 警察もピリピリしているんだろう……」

「でも、女の子の顔を殴るとか酷いよ」

「私も、御幸が来てくれなかったら心が折れていたかもしれない」

「玉藻の所には、御幸が来たの?」

「ああ。
 亜金の所には啓司が、来たのだろう?」

「うん」

「さて……
 どうする?」

「え?」

「これは、私たちがやらなければ、容疑は晴れない。
 かと言って動けば動くほど警察から目をつけられる」

「そうだね。
 目をつけられるのは嫌だけど、戦おう」

「わかった。
 私も全面的に協力しよう」


玉藻は、そう言って頷いた。
そして、俺たちの長い2月が始まる。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。