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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月05日


「あきーん。
 早くですますよー」


ピノが、走り回る。
今日、命が消えるなんて考えれない。
でも、聞きたいことは聞いておかないと……


「ピノ、ベルゼブブって知ってる?」


俺は、ピノの隣に立つとピノは、その場で座り込む。


「座って話すですます」

「あ……うん……」


俺は、戸惑いながらもピノの隣に座る。
すると、ピノは俺の膝の上に座る。

「あまえー」

「え?あ……?」

「ベルゼブブ。
 それは、悪い時の巡礼者の集まりですます
 そうじゃない人も多いけれど、悪い時の巡礼者を集めて世界を滅ぼそうとするのですます」


ピノは、静かに語りだす。


「じゃ、あのフィサフィーってお爺さんも……?」

「はい。
 フィサフィーも時の巡礼者ですます。
 しかも、悪い時の巡礼者ですます。
 フィサフィーは、色んな次元に行くことができるのですます」

「次元って、パラレルワールドのこと?」

「そうですます」

「時の巡礼者ってなんなの?」

「特殊な能力を持った人ですます」

「特殊な能力って、ギフト能力の事?」

「ギフト?」


ピノは首を傾げる。
どうやら違うみたいだ。


「俺の特殊な能力って何?」

「亜金の特殊な能力は、不食なのです」

「ふしょく?」


俺は、首を傾げた。


「亜金は、他人の不幸を食べて自分が不幸になるのですます」

「そうなの?」

「きっと、どこの亜金もそうなのですます」

「そ、そっか……」


どうりで、昔から運が悪い訳だ。


「あー!!」


ピノが、突然大きな声をあげる。


「どうしたの?」

「あきーん!
 ゆきーーー!!」


俺は、それを見上げると粉雪がちらほらと舞い降りた。


「雪だね……」


俺は、静かにピノの方を見る。
ピノの体が静かに冷たくなる。


「ピノ?」


ピノは、動かない。
ピノは、静かに息を引き取った。
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