SSブログ

ピノの旅(小説) [ピノの旅]

2013年3月21日


曇り。
ピノは無邪気に笑っている。


「亜金、遊ぼう!」


ピノが、そう言って俺の服を引っ張る。


「ごめん。
 今は、そんな気分じゃないや」


俺が、そういうとシエラ姉さんがピノの頭を撫でる。


「じゃ、ピノちゃんは、私と向こうで本を読んでみようか?」

「うん!ピノ、シエラさんと本を読むー」


ピノは、シエラ姉さんと一緒に別の部屋に移動した。


「で、どうする?」


清空さんが、そう言って俺の目を見る。


「このままピノさんが、死ぬまで屋敷にこもるよ。
 今までと変わらない、ずっと屋敷にこもるだけ……」

「そうか……」


清空がため息をつく。


「亜金のことだから、ピノを盾にして外に出たがると思ったんだけど……」


プレゲトンが、そう言ってため息をつく。


「最初は、そう思ったけど……
 ピノを戦争に使われるのは嫌だ……」

「ただな。
 亜金……」


プレゲトンが、言葉を続ける。


「ピノは、魔力を隠さない。
 いや、隠す術を知らない。
 つまり、どういうことかわかるな?」

「え?」


俺の頭が真っ白になる。
すると屋敷の外から男の怒鳴り声が聞こえる。


「雪の町の館の亜金!
 ここから、正体不明の魔力感知が続いている!
 今すぐ出てこい!」

「王国兵士だな」


清空がため息をつく。


「ピノを取り上げられるの?」


俺は、清空に尋ねる。


「それは、亜金次第だ。
 早く出ないと奴らのことだ。
 強制突入してくるぞ?」

「わかった……」


俺は、館の玄関のドアを開けた。
すると数人の兵士が立っていた。


「亜金だな?」

「はい」

「同行願う」


俺は、そのまま王国兵士に城に連れていかれた。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

お彼岸可愛そうなポーラ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。