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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――3月24日


昨日の笹鈴さんの告白に俺たちは、驚愕した。


「笹鈴さん、お母さんに何か恨みでもあるの?」


俺の問いにプレゲトンが、あきれた声で返す。


「そういう問題じゃないだろ?
 問題なのは、女王を殺すってことだ」

「女王?
 ってことは、笹鈴さんはお姫様?」


俺は、首を傾げる。


「亜金、少し黙ってろ」


プレゲトンが、俺を睨む。
俺は、暫く黙り話を聞くことにした。
笹鈴さんが苦笑いを浮かべ口を開く。


「ワタクシメの母、水は周りのイケメンを誘拐しては氷漬けにして鑑賞して楽しんでいるんです」

「趣味がいいとはいえないな」


白銀さんが、苦笑いを浮かべる。


「それに次の標的は、亜金ちゃなの」


視線が一気に俺に集まる。


「え?俺?」

「亜金ちゃも時の巡礼者なんでしょ?
 そして、不幸を食べる能力を持っている……」

「うん。
 食べ方は知らないけど、そうらしい」

「水は、その不幸を食べる能力を狙ってるの」

「亜金の不食か……
 確かにあれが、あれば不老不死も夢じゃないしな……」


清空さんが、そう言って顎に手を当てる。


「にしてもあの水が相手となるとやっかいだな……」


白銀さんが、髪を弄りながら言う。
そして、清空が、何かを思いついたように言葉を発する。


「そうだな……
 亜金、水を無事に倒すことができれば外の世界に出ることを許してやるぞ」

「え?
 清空さんは、一緒に倒してくれないの?」

「私と、白銀は、ピノを護りながらこの館を護る」

「出来るのかな……」


俺が、不安な声を上げた。


「EDの出し方は解っているだろう?
 ここを出たらまっすず雪の城に向かうんだ。
 水は、おそらくそこで待機している……
 亜金とプレゲトン、笹鈴と座来栖は、雪の城に向かえ!」


清空さんは、そう言って窓から飛び降りた、そして白銀さんもそれに続いた。

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