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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――3月20日


水は、空気中の水素を集め、そしてその刃を俺の乗るED、フェアリー・セットに向けて放つ。
そして、フェアリー・セットに刺さる。
しかし、俺は、ダメージを受けなかった。


「な、なななななななな!
 なんでだー!!」


水が、叫ぶ。
その声に釣られて、西郷と複数のEDに乗った兵士が、水の間にやって来た。


「数、多すぎない?」


笹鈴さんが呟く。


「問題ない」


座来栖君は、目を光らせると、背中から無数の銃を出すと撃ちまくった。
一発も撃ち漏らすことなく、全ての弾を兵士たちのEDを倒していく。


「座来栖君凄い!」

「これくらい簡単なモノだ……」


座来栖君が、クールに決める。


「亜金も倒せー♪倒せー♪」


ピノが、そう言ってはしゃぐ。


「そうだ、お前も追撃数を増やせ!」


プレゲトンが、そう言って俺の頭に足を乗せる。


「今度乗る時は、乗る順番変えない?


俺は、プレゲトンに尋ねる。


「どうしてだ?」

「今、俺、プレゲトン、ピノの順番だよね?
 この状態って俺が、頭を踏まれる設定なんだけど……」

「一番前は、メイン操縦士、次は、魔力制御士、その次は、魔力供給。
 この順番は、変えられんな」

「え、そ、そんなぁー」


俺は、泣きそうな顔をする。
しかし、敵はそんなことなんて気にすることなく。
襲ってきた。


西郷が、刀を構え、亜金に襲う。
俺は、その攻撃を避けプレゲトンの剣により西郷のEDの腕を斬る。


「ぐわぁぁぁ。
 俺の腕がぁぁぁぁ」


西郷が、叫び声をあげる。


俺が、西郷と戦っている間に笹鈴さんと座来栖君で、水以外の敵を倒してしまっていた。


「おのれ……
 おのれ……
 おのれ……!!」


水が、俺たちを睨む。


「おや?
 水さん、手こずっているようですね」


現れたのは1人の男。
俺たちは、この男を知っている。
人間の中で最も魔王と神を倒した存在。
そう、勇者王と呼ばれた男だ。
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