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小説:余命宣告 [余命宣告]

12月28日


今日から正月休み。
だけど、色んな事があり心が疲れている様子。
モンハン尽くしの予定だったけれど……
そんな気分には、とてもなれません。

はぁ。

俺って、誰かを幸せにする事って、出来るのでしょうか?
ずっと、ずっと、それが気になって仕方がありません。

俺は、はるかさんの事が好きなんだと思う。
いや、好きだ。
昨日の一件に関しては、はるかさんは、悪くない。
誰も悪くないんだ。

恋愛に疲れて自殺しちゃう子は、沢山います。
美奈もその中の1人だったんだ……


それは、恋愛で傷ついた子の心が弱かった訳じゃない。


ただ、タイミングが悪かったんだ……


はるかさんは、昨日の夜から泣きっぱなし。
俺は、余計な事を聞いてしまったのかもしれない。
だけど、どうしても聞かずには居られなかったんだ。
俺は、死ぬ前に俺の中で決着をつけなければいけない事がある。
俺は、そう思い、病院に無断で外出をした。

そして、美奈の墓前へと向かった。

花が添えられている。
まだ、新しい

俺達には、親戚など居ない。
はるかさんも、昨日から俺の病室に居る。
だから、誰が備えたのかはすぐに分かった。


「あ……」


声がした。
声の方を振り向くと、そこには男の人が居た。
美奈の元の彼氏。
杉山大輔だ……

杉山君は、俺の姿を見るなり頭を下げた。


「すみませんでした!」

「……謝っても君のした事は、美奈は許さないだろう」

「それでも、謝っておきたいんです!
 その後、彼女とも別れました」

「……そう言う問題じゃない」

「俺には、こうやって償うことしかできません」

「償う必要なんて何も無い」

「でも!」

「君は、幸せになるんだ」


そう、生きている人には、幸せになる権利がある。
生きている人は、幸せにならなければいけない義務がある。

俺は、そうはるかさんに教わったんだ。
俺も幸せになっても良い……
それなのなら、この目の前の男も幸せになってもいいのではないだろうか?

彼は、毎日墓に来てくれているらしい。
美奈は、きっと喜んでいるだろう。


俺は、無言でその場を去った。
長くいれば、あの男を殴ってしまうかもしれない。
俺の中では、やっぱりアイツは憎い存在だから……


病室に戻るとはるかさんに怒られた。
心配かけすぎたかな??
はるかさん、ごめんなさい。



では、明日へ続きます。

※この物語は、フィクションです。
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