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ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

4月14日


フェアリーテイルは、いつものように穏やかな空気を放っている。

そして、浮遊霊が二人。


千春と岬さんだ。


霞さんと銘さんは、不安そうな顔でこちらを見ている。


「さて、銘さんと霞さんには見えないと思いますが……
 ここに岬さんと千春の霊がいます」

「え?
 千春ちゃんも?」


銘さんが、目を丸くして驚いている。
俺は、コクリと頷く。


「で、今から岬さんの霊に誰が殺したのか聞いてみます」

「お願いします」


岬さんが、そう言って頷いた。


(岬さん、貴方を殺したのは、誰ですか?)


岬さんは、首を横に振った。


「わかりません」

(わからないとは?)

「知らない人に殺されたの……」


岬さんは、そう言ってテレビの方に視線を向けた。
俺もゆっくりと視線をテレビに映す。
そこには、連続婦女暴行殺人事件の重要参考人である橘 勤(たちばな つとむ)の姿が映った。


「あ、あの人……」


岬さんが、テレビの画面に指をさす。


「え?」


俺は、思わず声をあげてしまった。


「どうかなさいました?」


霞さんが、心配そうに俺の方を見る。


「いえ、あの……
 今回の犯人、あの人だそうです」


俺は、そう言ってテレビの画面に指をさす。


「え?」


霞さんと銘さんは目を丸くさせ、その画面に集中する。


さて、犯人はわかったけど……
これは、証明する事が難しいぞ……
何故なら、岬さんの体内からは、霧さんの体液しか発見されなかったからだ。
もしも、勤が犯人なのならば、岬さんの体内から勤の体液も見つかったはずだから……


霞さんは、涙を流した。


「明日、私、刑事さんに言ってみます。
 もしかしたら、信じてもらえるかも知れませんし……」

「うん」


俺は、頷く事しかできなかった。

※この物語は、フィクションです。

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