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ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

6月16日


今日は、すこぶる雨だ。
何も無い日の雨は、何も感じない。
だけど、出かけている日の雨は、憂鬱になる。

そんな憂鬱な事が飛び出してくる事も無く憂鬱な気分は憂鬱な気分のまま朝が終わりを迎えようとしている。


昨日の聞きこみの結果は、散々なモノだった。


社長さんと橘勤の目撃証言は、あった。
だが、親しげだったらしい。

橘勤は、キリギリス電化の制服を着ていたしていたらしい。

そして、さらに憂鬱にさせる出来事があった。

キリギリス電化の作業員が、1人行方不明になっている。
行方不明になっている作業員の背丈は、橘勤と同じ位。


鈍い勘の俺にもわかる。
彼は、もうこの世にはいないだろう。

それは、直美ちゃんにも理解しているらしい。


「仲良くしてた……のか……
 千春、橘勤って、どんな奴なんだ?」


俺達は、自分の部屋に戻るといやな千春に質問した。


「最初は、アイツ優しいんだ。
 親切なお節介って感じがしてて……
 でも、突然人が変ったように豹変して、気が付けば私は死んでいたの……」

「そうなのか……」

「振り向く隙も貰えなかった……」

「……そんなにヤバいの?」


直美ちゃんナ心配そうに俺に尋ねた。


「ああ。
 俺も一度殺されかけている……」

「……マダオ」

「どうした?」

「調査、私1人でやるからさ……
 マダオと千春ちゃん、帰った方がいいよ」

「え?」

「マダオまで殺されちゃったら、大変なことだもん」

「直美ちゃんだって殺されたら大変なことだぞ?」

「私は、いいの……
 死んでも悲しむ人はいないから……」


直美ちゃんは、今にも泣きそうな声で言った。


「直美ちゃんは、死なないよ」

「え?」

「俺が守るからね。
 ヤツには、借りがある」


俺は、そう言うと直美ちゃんの頭を撫でた。

橘勤。

待ってろよ。


※この物語は、フィクションです。

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