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ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

7月15日


朝、6時。

俺は、源爺に起こされる。


「源爺、朝早いですよ……」

「朝食の用意は、済ましてある。
 早く来んか!」

「あ、すみません。
 今、起きます」


俺は、そう言って体を起こした。


「あれ?千春は??」


俺は、辺りを見渡した。
だけど、千春の姿が何処にも見えない。


「嬢ちゃんなら、温泉に入っているぞ?」

「温泉?」

「幽霊だけが入れる温泉じゃ。
 お前も入ってみるか?」


覗きたい気もするけれど……
それは、それで怖い気がしてきた。


「いや、いいです」

「そうか……
 なら、ワシ一人で覗こうかのう」

「覗くのですか?」

「ああ。
 あの娘、良い体しておるからのぅ」

「あはは……」


源爺は、ニカっと笑うと俺の部屋のドアを開けた。

すると千春の姿がそこにあった。


源爺は、ドアを閉めた。


「ワシ、今日は、帰りたくない」

「……」


ドアを閉めても千春の体がドアからひょっこりと顔を出す。


「誰が、誰の裸を覗くの?」

「亜金が、千春ちゃんの裸を覗くの。
 ワシは、ダメじゃと言ったのに……」

「……」


源爺、責任転嫁しやがった……


その後、俺と源爺は、千春に怒られた。
すっかり朝食は冷めてしまい俺は、遅めの修行をおこなった。
何故か、千春も一緒に修業をやっている。


「どうして、お前まで修業をするんだ?」

「私も修行して強くなりたいの」

「幽霊が強くなるってどういうんだ?」

「“呪”って、技を究めたい」


千春は、さりげなく怖い事を言った。
俺は、聞き流す事にした。


※この物語は、フィクションです。

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