SSブログ

ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月22日


啓司さんから、預かった1丁の銃。

学生時代。

俺は、確かにハンドガンを習っていた。
趣味程度のモノだった。

ほんの少しの才能があり、国内記録では、ぶっちぎりの1位だった。
だけど、世界は広かった。
試合の前に飲んだコーヒーに下剤が、混ぜられ体調不良。

結果は、散々で世界記録100位。

俺は、それ以来コーヒーが怖くて飲めなくなった。

世間からは、情けないと罵られ……
俺は、ハンドガンの競技から降りた……

ハンドガンは、オリンピックの競技じゃないから俺の名前は、そんなに有名じゃない。
だから、国内では、そんなに俺のことは有名じゃない……


俺は、銃をぼーっと眺めている。


薫ちゃんは、源爺に預けたまま。

誰も居ない部屋で俺は、一人物思いにふける。


銃と一緒に預けられた一枚のFBIの手帳とバッチ。

それは、FBIの裏部隊にのみ渡されるモノ。

なので、これがあれる限り、俺が日本国内で銃を持っていても罪に問われることは無い。
まぁ、知られていないから補導は、されると思う。

このバッチと手帳、そして銃を一緒に持ち歩くと言うことは、俺がその裏の部隊に入ることを意味する。


「さて、どうするかな……」


悩んでいても時間は、刻々と流れて行く。

俺は、さりげなくテレビの電源をつけた。
ニュースが流れている。


橘勤のことが報道されている。


流石に、あれだけ警察官やFBIの能力者達を殺したのだからニュースになってもおかしくない。

橘勤の過去などが、触れられていた。


橘勤は、幼い頃両親と姉を目の前で亡くしている。
それは、残忍な事件だったらしい。

運よく助かった橘勤は、警察に保護され、そのご施設で育った。

友達を作らず、ずっと一人で行動しては、一人でぼそぼそと話す事もあった変わりモノ。
学校の成績は、運動も含めて一番。
クラブ活動は、やっていなかった。


少し、わかる気がした。
能力者は、誰しも感じるモノがある。
それは、孤独だ。
能力が異能力であればあるほど辛いモノがある。
俺の場合、常人に対しては、相手のやる気を無くす能力らしく、「お前といるとやる気が出ない」と言われることもあった。
当時は、なんのことがわからなかったが……


今日は、裏のFBIに入るか考える時間として一日与えられた。
俺がすべきこと。
ただ、それだけを考えていた。


※この物語は、フィクションです。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。