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ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月29日


戦いは終わった。
最後は、あっけない戦いだった。


橘勤は、凍ったままFBIの本部に引き取られた。
その後、すぐに南極に運ばれたらしい。

テレポートの能力を持った人が来て、作業は一瞬で終わった。
万が一、橘勤が復活しても、南極からここまで、来ることはもうできないだろう。


心の中のモヤモヤが消えない。


FBIの能力しゃが、魂抜きを行われた時、俺も傍に居た。
だけど、そこには、直美ちゃんは居なかった。


もう成仏したのだろうか?


それとも橘勤以外の誰かに殺されたのだろうか?


どちらにしても、直美ちゃんの魂がない限り答えはわからない。


そう、答えは本当の意味で闇の中なのだ。

亜銀は、仕事があるからとすぐにFBIの本部に向かった。

薫ちゃんと俺は、今は、俺の実家にいる。

俺は、直美ちゃんに渡すはずだった指輪を眺める。


「アンタもぼっとしてないで、子供が出来たのだから、きちんとした仕事を探しなさい!」


母親が、俺にぼやく。


「そうだな……」

「たっく、亜銀が生き返ってからは、外国の警察に勤めてるに、アンタと来たら……
 いつまでも、フラフラと……」


母親のぼやきが、耳に入ってこない。

母親は、呆れて俺の部屋を出た。

部屋には、俺と薫ちゃんだけが残る。


「亜金さん……」


薫ちゃんが、小さく呟く。


「どうした?」

「元気出して……」

「え?」

「もしかしたら、違う答えがあるかもしれない……」

「違う答え?」

「わかんないけど……
 そんな気がするの……」


薫ちゃんの元気がない。
俺が元気がないからだろうか?


「そうだな……
 いつまでも凹んでいても直美ちゃんは、戻ってこない。
 せめて、俺だけは笑顔で笑っていとかないとな……」

「……」


薫ちゃんは、何も言わなかった。


※この物語は、フィクションです。
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