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亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月4日


昨日は、台風のような雨だった。

すねこすりの六花は、ビクビクと奮え、怯えていた。


さて、今日は、下の階のレテさんと言う人に挨拶に行くか……


俺は、そう思い部屋を出て下の階に行った。

103号室。

俺の真下の部屋だ。
色々面倒を掛けるかもしれない。
だから、挨拶はきっちりとやらなくては……


俺は、103号室のインターフォンを鳴らした。


「はーい」


女の子の声だった。
ドアが開かれると黒い髪にぐるぐるメガネをかけた女の子が姿を現す。


「……えっと、上の階に引っ越してきた、詩空 亜金です」

「私、レテ……」

「あ、はい」

「……」

「……」


えっと、どんな会話をすればいいのやら……


「お菓子食べる……?」

「あ、いえ、そんな気になさらずに」

「まぁまぁ、いいから」


淡々とした口調でレテさんは、僕の手を引っ張る。
冷たい感じなのだけど、冷たいわけではない。
レテさんというのは、そう言う人なのだろう。


俺は、そう思いレテさんの部屋に入る。
綺麗に片づけられた部屋に、洗濯物が干されていた。
雨だからね……

その洗濯物の中には、下着も干されていた。


「あ……」


俺は、思わず目をそらす。


「あ、見ないで……」


レテさんは、自分のポケットへと下着を隠す。
でも、恥ずかしいそぶりは見せない。

でも、照れているなと言うのは、なんとなくわかった。


レテさんは、紅茶を淹れてくれた。
少し苦かったけど美味しかった。


こういうことって今までにない経験だった。
だから、嬉しかった。
こっちでは、上手くやって行こう。
そう心の中で誓った。


※この物語は、フィクションです。

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