SSブログ

亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月29日


朝が来る……
声を出して泣けば誰かが近づいてきてくれた。
だけど、今はそうではない。


優しくなでてくれるお母さんも。
優しい言葉をかけてくれるお父さんも。
優しく抱きしめてくれるお姉ちゃんも……

もう、誰もいない。
もう、誰もいない。
もう、誰もいない。


そう、誰も居ないんだ……


僕は、強くならなくちゃいけない。

もっともっと強くならなくちゃいけない。

僕は、涙を拭いた。


「六花!
 公園に行くぞ!」

「にゃー?」


六花は、ゆっくりと顔をあげて僕の顔を見る。


「行くぞ!」


僕は、涙を拭いた。
そして、外に出る。


朝ごはんはない。
ご飯を作ってくれる人ももういない。


お腹が空いた。
でも、仕方がないんだ。
これからは、僕は、1人で生きなくちゃいけないから……


僕は、走った。
六花も走る。


そして、公園に着いた。
公園には誰も居ない。


公園の時計を見た。
7時だった。


僕は、シーソーに座る。
六花は、僕の膝の上に座る。


「ダメだよ……六花。
 お前は、反対側に乗らないと遊べないじゃないか……」


六花は、「にゃん」と鳴いて反対側に座る。


しかし、シーソーは、動かない。

僕は、ため息をついた。
そして、うつむく。
お姉ちゃんが居れば、遊んでもらえるのに……

僕は、泣きそうになった。

シーソーが傾く。


「え?」


僕は、顔をあげた。
すると六花を膝の上に置いた女の子が座っていた。
頭の上に茶色い毛の耳がある女の子だった。


※この物語は、フィクションです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

亜金友人帳クエが出来ない…… ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。