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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月14日


今日から暫く学校は、臨時休校となった。

日本であんな事件が起きるなんて思っていなかった。

怪我人も座来栖君だけだった。

座来栖君は、今は入院している。
笹鈴さんは、それに付き添っている。

俺は何もできない自分に腹が立った。


「六花、散歩に行こうか……」

「にゃん」


六花は、頷くと一歩前に出た。


俺は、アパートを出ると公園を散歩することにした。
雫って人に傷は癒してもらえた。
だから、痛みはない。

でも、悔しかった。


俺は、公園の売店でフランクフルトを購入するとそれを口に運ぶ。


「もう傷は癒えたかい?」


海藤が、ゆっくりと俺に近づいてくる。


「……ああ」


俺は、コイツが苦手だ。


「それは、よかった」

「まだ、六花を狙ってるのか?」

「今は狙ってないよ」

「そうか……」

「うん」


だけど、俺は言わなくてはいけないことがある。


「昨日は、すまない。
 海藤が居なければ俺は死んでいたかも知れない」

「気にしなくていいよ、仕事だから……」

「そうか……」

「僕は君に話があって来たんだ」

「話?」

「友人帳を渡してほしい」

「え?」

「サソリが、友人帳を狙っている」

「あれは、大事なモノなんだ。
 渡せない」

「わかった」

「力づくでも奪うか?」

「僕は、人は傷つけない主義なんだ」

「そうなのか?」

「うん」

「渡さないのなら僕が君たちを護るだけよ。
 話は、それだけ……じゃまたね」


海藤は、そう言うと風と共に姿を消した。
アイツは、何者なんだ?
本当に人間か?


※この物語は、フィクションです。


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