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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月20日


俺たちは、公園に向かった。

公園に着くと座来栖君と笹鈴さんがそこに居た。
笹鈴さんは、公園のベンチに座り、座来栖君が前に立っている。

俺が、近づこうとすると玉藻が、俺の腕を引っ張る。


「何?」

「今は、2人だけにしてやれ」

「わかったよ」


俺たちは、座来栖君と笹鈴さんの2人の恋の行方を見守ることにした。


「ここに居たのか……」


座来栖君が、そう言って笹鈴さんの隣に座る。


「……うん。
 ここが、私と座来栖君の出会いの場所だから……」

「そうだったか?」

「そうだよ」

「覚えてないのか?」

「え?」

「俺たちもっと前に会っているだろ?」

「え?」

「俺たちが、最初に出会ったのは北海道の札幌スキー場だろ?」

「覚えているの?」

「当たり前だ。
 俺があげた赤いマフラーをつけて現れた時は、驚いたけどな」

「うん……」

「ここは、再会した場所だろ?」

「うん。座来栖君。
 覚えてくれていたんだね」

「お前との思い出は全部覚えている。
 小学生の時、転入してきたときのこと。
 中学のクラブ活動、射撃部のマネージャーになったこと。
 射撃部の遠征の時、自分の切符を無くして泣いたこと……」

「それは、忘れて良いよ」


笹鈴さんは、苦笑いを浮かべた。


「全部全部覚えている」

「私も覚えているよ。
 座来栖君が、ホワイトデーに手作りシューマイを作ってくれたこととか……」

「それは、忘れれてくれ」

「今でもわからないよ。
 なんでシューマイなの?」

「本当は、マシュマロをプレゼントをする予定だったのだが……
 マシュマロでは普通かと思ってな。
 思い出に残るモノを作りたかったのだ」

「バッチシ、記憶に残ってるよ」

「なら、よかった」


座来栖君が笑う。
するとつられて笹鈴さんも笑う。


「大丈夫そうだな」


玉藻が、そう言うと俺の腕を引っ張る。


「うん?」

「帰るぞ」

「そうだね」


抱き合う笹鈴さんと座来栖君を後ろに僕たちはばれないように帰った。


※この物語は、フィクションです。

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