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亜金友人帳 [亜金友人帳]

5月27日


日曜日。

なんの変哲もない日曜日。

玉藻は、怪我の為、入院している。
そして、俺は海藤にもう一度呼び出しを受けこの間、戦った公園に向かった。


「やぁ。
 おはよう、詩空君」


海藤は、無表情で俺に挨拶をしてきた。


「ああ。
 おはよう」

「……単刀直入に言うね。
 友人帳を渡してほしい」

「それは、嫌だ。
 あれは玉藻からのもらい物だしな。
 それをお前に渡すのは玉藻に失礼だ」

「そうかもしれないね。
 そう言うと思った。
 でも、友人帳がある限り今回のような目に何度も合うことになるよ?」

「それでも、渡せない」

「頑固だな。
 これは、君だけの問題じゃない。
 詩空君の周りにいる人間にも迷惑をかけるんだよ?
 君があの時、僕に友人帳を渡してくれていれば多摩月さんは、傷つかづにすんだ」

「そうかもしれない。
 だけど……」

「渡せない?」

「そうだ」

「わかった」

「力づくでも奪うか?」

「今はしない。
 だけど、いつかはそうなるかもしれない」

「そうか……」

「それで一つ提案があるんだ」

「なんだ?」

「君にも妖怪と戦える力……
 シックスセンスに目覚めてもらおうと思う」

「俺にも出来るのか?」

「出来るよ。
 少なくても稲妻君くらいの力は、つけてもらう」

「どうやるんだ?」

「暫く僕の家に通ってもらう」

「海藤の家?」

「僕の家は、妖怪の退治屋なんだ。
 聞き覚えがあると思うけど僕は、白騎士団と言われている団長の息子なんだ」


白騎士団。

そう言えば、そんなことをアゲハが言っていたな。


「そうか……
 で、お前に何のメリットがある?」

「僕たちは、友人帳が悪用されることを防ぎたいだけだよ。
 友人帳は、名前を書かれた人を自由に召喚、命令できるアイテム。
 悪用されると非常に厄介。実は、召喚できるのは妖怪だけじゃないんだ」

「そうなのか?」

「うん。
 だから、君には目覚めてもらう。
 それが、嫌なら友人帳を渡してもらうよ」


仕方がない。


「わかった。
 俺も目覚めてみるよ」

「ありがとう」


海藤は、表情を変えずに頷いた。

※この物語は、フィクションです。

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