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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年8月10日


俺が怪我した知らせを聞いた子供たちが、俺の部屋に集まる。


「お兄さん、怪我したって聞いたけど大丈夫?」


歩ちゃんが心配そうに俺に近づく。


「ああ、大丈夫だよ」

「兄ちゃんケンカ弱すぎ……」


元太君が、ケラケラ笑う。


「大人の世界では、殴られても殴りかえしたら罪になることだってあるんだ」

「この場合、正当防衛ですよ」


俺の一言に充君がすぐに答える。


「いい顔になったね」


隼人君が、そう言うと俺は照れ笑いを浮かべる。


「うっさいな……」

「怪我、痛そう……」


愛ちゃんが、心配そうにお守りを俺に渡してくれた。


「これは?」

「病気が早く治るお守り。
 ママに貰ったの……」

「これは、愛ちゃんが持ってないと……」

「怪我が治るまで、お兄ちゃんに預ける」

「そっか……
 ありがとう」


俺は、有難く預かることにした。
愛ちゃんは、ニッコリと笑うと隼人君の後ろに戻った。
ってか、ホントに隼人君のこと好きなんだな……


「相変わらず子供には、好かれてるわね」


ゆかりさんが、そう言って俺の部屋に入ってくる。


「個人的には、若くて綺麗なお姉さんにモテたいですね」

「あー。
 そのセリフ、美穂姉ちゃんに言ってやるんだー」


歩ちゃんが、そう言って笑う。


「言わなくても大丈夫だよ。
 だって、その綺麗なお姉さんって美穂お姉さんのことだろうから」


隼人君が、小さく呟く。
なんか知らんが隼人君、ナイスフォローだ。


「美穂さんが、羨ましいな。
 亜金君みたいな彼氏がいて……」

「……え?
 ゆかりさんもお兄さんのことタイプなの?」


歩ちゃんが、そう言うとゆかりさんは、苦笑いを浮かべた。
それは、どういう意味なんだろ?


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