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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年08月11日


暑いですね。
今日は美穂も仕事が休みらしく俺に付きっきりだ。
なので、1つ気になることを美穂に尋ねてみた。


「美穂、この病院の入院費のことなんだけど……」

「うん」

「個室だし高くないのか?」

「大丈夫だよ。
 この病院、私のお父さんの弟の病院だから……」

「え?」

「だから入院費はタダで良いって言ってたよー」

「それは、少し気を遣うな……」

「私が、お願いしたの。
 そっちのが、亜金と同じ布団で寝ても怒られないでしょ?」

「そ、そうだな……」


確かに大部屋で女の人と同じ布団で寝ていると問題あるよな。


「ってか、美穂のお父さんは何をしている人?」

「ヤクザ」

「え?」

「嘘だよ。
 お父さんは、満点堂の社長だよ」

「満点堂って、文具メーカーの?」

「うん」

「超大手じゃんか!」

「うん」

「ちなみに私もお姉ちゃんもそこの子会社で働いているよ」

「そうなのか?」

「うん」


って、あれ?お姉ちゃん?


「って、あれ?
 お姉ちゃん?」

「あー。ごめん、妹」


前にも間違えたことあったよな。
口調もかなり変わったし……


「そっか……」


でも、今は深く聞かないことにしよう。
なんとなくその方がいい気がするから……


「亜金」

「なに?」

「久しぶりにしよっか?」

「何を?」

「キス」

「……え?」

「ダメかな?」

「ダメじゃないけど……
 この間しなかった?」

「あれは、別腹!
 本格的なキスをしようよ!」

「まぁ……
 美穂がいいのなら……」

「はい、では……」


美穂の目が俺の目を見つめる。
そして、ゆっくりと俺たちはキスをした。
タバコの香がしない。
美穂……タバコ辞めたのかな?

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