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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月16日


白銀は、静かな光の粒になり姿を消した。
魔力を持ちすぎたモノは、死ぬと同時に魔力が爆発し、光の粒となり遺体は消える。
そう、亜金は、白銀を倒したのだ。
しかし、亜金の目は、絶望に満ちていた。


「亜金、お主になにがあったんだ?」

「……プレさんが死んだ」

「え?
 今、持っているモノは何?」


万桜が、目を丸くさせ亜金に尋ねる。


「……」

「ユニオンしたのだな?」


余は、全てを察した。


「うん。
 プレさんが、白銀先生にひん死の状態に追いやられて……
 死の直前に俺とプレさんは、ユニオンしたんだ」

「そうか……」

「俺が、弱かったからプレさんは、死んだんだ」

「……そうか。
 事情はわからないが、ユニオンしたと言うことは完全に死んだわけじゃない」

「え?」

「ユニオンしたモノ同士は、来世では必ずめぐり逢い結ばれる。
 だから、そう気を落とすな」

「うん」

「プレさんは、主を心から信用したと言うことだ」

「うん。
 おかしいよね、悲しいはずなのに涙が出ないんだ」

「人間とは複雑な生き物だな」

「うん」


ユニオン。
それは、巨大な力を得る代わりに何かを失う儀式のことだ。
亜金が、失ったモノ。
それを余は神の目で見た。

それは、ネガティブ。

亜金のマイナス思考が、少しだけ改善されたんだな。
それは、プレさんの意思かどうかは、わからない。
余は、白銀に勝ったのだ。

残す敵は、赤の魔道士だけか。


余たちは、勝つことができるのだろうか。


※この物語は、フィクションです。

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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月15日


余と万桜は、爆破された洞窟を見に来た。
白銀と赤の魔道士は、この洞窟を拠点にしていたはずだ。
その洞窟が爆破されたとするならば、様子を見に来るかも知れない。

余と万桜は、そのわずかな掛けにでた。

その掛けは的中。


白銀が、余と万桜の前に現れた。


「やぁ。こんなところで会うなんて奇遇だね」

「奇遇だと?
 余と万桜の存在に気付いて堂々と出てきたくせによくそんなセリフが言えるな?」

「赤君が、言っていたように君たちはパワーアップしているようだね。
 これは、流石の僕も危ないかもしれない」

「本気で言ってるの?」


万桜が、音々斬丸を鞘から出す。


「半分本気で半分冗談かな。
 今の君たちでは僕の足元にも及ばないよ?」

「ボムから聞いてるぞ。
 主は、深手を負っているのだろう?」

「へぇ。
 耳が早いね」


白銀が、そう言ってクスクスと笑う。


「何が可笑しいの?」

「だって、あまりにも君たちが滑稽だからさ……」


白銀は、空から細い剣を召喚させた。


「……戦う気?」

「ああ、もう君たちを生かす理由なんて無い。
 むしろ殺さなくちゃ僕たちの計画に支障が出るレベルになった。
 さようなら、大主君に柊さん。
 君たちといたわずかな時間。
 結構楽しかったよ……!」


白銀は、素早い動きで万桜の背後に回る。
万桜は、それよりも少し早い動きで白銀から間を開ける。

そして、万桜が、白銀に音々斬丸の剣圧をぶつける。


「へぇ……
 本当に強くなったんだ……?」


白銀が、楽しそうに笑う。
余は恐怖した。
その白銀の表情に。
余には、わかった。
本気を出した白銀には勝てないと。
かといって負けるわけにはいかない。

白銀の剣が白く輝く。

負ける!


余たちは、覚悟を決めた時。
白銀の背中に斬撃を入れたモノがいた。


「この瞬間待っていたよ。
 貴方が油断するこの瞬間をね……」

「……クスクス。やられたよ。まさか、君がこんな近くにいるなんて」


白銀は、その場に倒れた。

余は、白銀を斬った男の名前を呼んだ。


「亜金!」

「やぁ、大主君に柊さん、お久しぶり」


亜金が苦笑いを浮かべ余の方を見た。


※この物語は、フィクションです。


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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月14日


余と万桜は、赤の魔道士の情報を少しでも多く得るため、昨日の洞窟に来ていた。
余は、ゆっくりと息を吸い込んだ。


「とりあえず、追い返すレベルまでの力を得たということか」

「みたいね」

「倒せなかったことが唯一の心残りだな」

「……そうね」


余と万桜は、大きなため息をした。


「まだ、こんなところにいたのか?」


男の声が余たちの耳に入る。


「ボムか?」

「ああ、そうだ」


ボムは、余たちを睨んでいる。


「どうしてここに?」


万桜がボムに尋ねる。


「それは、こっちのセリフだ。
 お前たちどうしてここにいる?」

「余たちは、赤の魔道士、そして白銀の情報を集めるべくここに来た」

「ここは、危ないぞ?」

「それは、承知できた」

「そうか……
 どうしてそこまでする必要がある?」

「……」


余は、亜金の情報と優心の出来事を話した。
少しでも情報が貰えるかもしれない。
そう願って……


「そうか……
 お前たちの復讐の相手は白銀なんだな?」

「まぁ、そうなるな」

「俺は、赤の魔道士に用がある。
 アイツは、元炎の里の騎士……
 そして炎の里を滅ぼした男だ」

「……」

「だから、俺はヤツを殺す」

「主も、その炎の里の人間なのか?」

「そうだ。
 俺は、復讐者だ」

「そうか……」

「そして、亜金と言うヤツの情報をついでにくれてやろう」

「!?」

「まぁ、亜金ってヤツのことかどうかはわからないが、最近白銀が深手を負ったらしい。
 今は、身を隠している。それをやったのが、制服を着た男子高生だ。
 大きな剣を持っていたらしい」

「大きな剣……
 プレさんか?」

「そこまでは、知らない。
 まぁ、情報をやったんだ。
 とりあえず、ここから出るぞ。
 今からここを爆破する」


ボムは、そう言って余と万桜をその場から追い出した。
とりあえず、よかった。
亜金は、生きている……


※この物語は、フィクションです。

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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月13日


余は、この間、白銀と赤の魔道士が居た場所に向かった。
痕跡があるかもしれないからだ。


ヤツらがいた場所には、洞窟があった。

余は、洞窟の中へと入る。


「またノコノコ来るとはいい度胸ですね……」


暗闇の奥から若い男の声が、聞こえてくる。


「赤の魔道士か?」

「……ふふふ。
 今日こそは、貴方の命貰い受けますよ?」

「今の余は、前の余とは違うぞ」


余は、神の刃を出す。


「それは、楽しみですね」


赤の魔道士は、そう言って両手を炎で包む。
暗い洞窟が一気に明るくなる。


余は、素早く赤の魔道士の間合いに入る。
そして、赤の魔道士の脇腹に神の刃で刺した。
そして、素早く赤の魔道士から離れる。


ヒット&アウェイと言うヤツだ。


「降参するなら今の内だぞ?」

「なかなかやるではありませんか……
 でも、この程度の傷では私は倒せませんよ?」

「そうか……
 ならば、仕方がない」


余は、神の刃に魔力を込める。


「さぁ、楽しい宴をはじめましょう!」


赤の魔道士は、嬉しそうに笑うと余のスピードよりも速い動きで余に迫る。
余は、その攻撃を避けるだけで精一杯。
だが、避けることまで出来るようになった。
余は、かなりレベルアップしている。


赤の魔道士が、余の体を炎で斬りつける。
余は避けなかった。
余は、赤の魔道士を捕まえた。


「万桜!
 今だ!」


余の合図で万桜が、余の影から現れる。
そして、万桜が音々斬丸で赤の魔道士を斬った。


「まさか、影に隠れているとは……」


赤の魔道士は、全身を炎に包まれ姿を消した。


「倒したのか?」


余がそう呟くと、見知った声が耳に入る。


「まだだ。
 アイツは、逃げた。この程度では死なねぇ」

「ボム・クライマー?」

「ああ。そうだ」

「どうして主がいる?」

「今は、答えない。
 だが、ヤツは俺が倒す」


ボムは、そう言って炎を全身に包み込ませると姿を消した。


※この物語は、フィクションです。

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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月12日


余は、一度天界に戻ることにした。

天界に戻るとアザゼルが、長いヒゲをさすりながら余を迎えてくれた。


「神様、お久しゅうございます」

「アザゼルか……」

「黒曜様から、連絡は頂いています。
 こちらにいらしてください」

「うむ」


アザゼルが、ゆっくりと歩き出す。
余は、アザゼルの後についていく……
アザゼルは何も語らない。
無言で歩いている。


「こちらです」


アザゼルが、そう言って大きな扉を開けた。


「これは、余か?」

「そうでございます。
 この肉体が、神様の肉体です」

「……」

「融合しますか?」

「うむ」

「では、肉体にお手を触れ下さい」

「うむ」


余は、肉体の額に手を触れた。
すると余は吸い込まれるような感覚に襲われた。


「少々苦しいですが、ご辛抱ください」

「こ、これは……?」


深い深い海の中。
深い闇に吸い込まれる感覚に襲われ、一気に体中に余の何倍もの体重の重力がのしかかる。


そして、目の前が真っ暗になる。

次に目を開けた時、余の顔を見下ろすアザゼルの姿があった。


「融合完了でございます」

「何にもかわらない気がするのだが……」

「能力の限界値が、格段にアップしております」

「これで、赤の魔道士や白銀にも互角以上に戦えるのか?」

「それは、神様次第でございまあす」

「そうか……
 では、余は現世に戻るぞ」

「止めても行くのでございますよね?」

「ああ」

「では、こちらです……」


アザゼルは、そう言って余を現世への道へと案内してくれた。
これで、余は優心の仇を打つことが出来る。


白銀、覚悟するがいい。


※この物語は、フィクションです。

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