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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月21日


「万桜!ボム!
 ここは、一旦引くぞ!」


余は、そう叫び大きく後退した。


「逃がしませんよ」


赤の魔道士は、そう言ってドアを閉めた。


「入り口を封鎖されても、壁を破壊すれば……!」


万桜が、そう言って壁を斬る。
しかし、壁に傷一つつかない。


「無駄ですよ」

「……なら、神の刃で!」


余は、神の刃で壁に一撃浴びせた。
しかし、壁はびくともしなかった。


「……無駄ですよ」


赤の魔道士は、そう言って余の背後に回り蹴りを入れた。


「く……」

「続いてフレイムアゲイン!
 炎に包まれ塵となりなさい!」


赤の魔道士は、地面を手で叩くと余の足元から火柱が現れ、余の体を包み込んだ。


「神様!」


万桜が、音々斬丸の剣風で、余を包む炎を消し飛ばした。


「く……
 万桜、すまない、助かった……」

「逃げることは、許しませんよ!」


赤の魔道士は、そう言って笑う。


余の背後から一本の剣風が飛んでくる。
その剣風は、赤の魔道士に命中し、赤の魔道士が吹き飛ぶ。


「神様!
 今の内に!」


亜金が、扉を外から破壊しこちらの方を見ている。


「亜金か、助かった……」


余が、万桜に肩を借りながら立ち上がる。


「亜金!
 探しましたよ!さぁ、貴方は私と行くのです」

「俺は、どこにも行かない!
 ここで、みんなと過ごすんだ!」

「貴方は、この世界には相応しくない!
 プレゲトンを自在に操れる今!王となるのです!」

「……」


亜金は、無言でプレゲトンを構える。


「残念です」


赤の魔道士は、小さく笑う。


「ああ。
 本当に残念だ」


赤の魔道士の腹部から刃が貫く。


「……?」


赤の魔道士は、驚き下を見る。

そして、赤の魔道士は光の粒となり消える。
そして、現れた姿。
それは……


「父上殿?」


※この物語は、フィクションです。

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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月20日


今日は、余にとって特別な日となった。
釈然としない。
だが、これが現実なのだ。


余の携帯に非通知からの電話があった。


「誰だ?」

「ふふふふふ……」

「その声、赤の魔道士か?」

「そうですね。
 だとすればどうします?」

「主を殺す」

「望むところです」

「主は、何処にいる?」

「私は――」


赤の魔道士は、自分の居場所を教えた。
教えてもらった場所は、大きな洋館だった。


余は、万桜に連絡をし赤の魔道士のいる洋館に向かった。

クロたちには、待機してもらうことにした。


「……罠だろうね」


万桜が、呟く。


「ああ……
 でも、行かねばならぬ」

「そうね」


余が、洋館に入ると入り口付近で立っている男がいた。


赤の魔道士だ……


「ようこそ。
 我が屋敷へ……」

「……」

「そして、お別れをしてください。
 この現世に……」

「……」


先手必勝!
余は、赤の魔道士に攻撃を仕掛けた。


神の刃で、切りかかり万桜は音々斬丸で斬りつける。


しかし、赤の魔道士には、効かなかった。


「何故、効かぬ?」

「これが、力の差と言うヤツですよ」

「……」


余と万桜に緊張が走る。


「ボム・アロー」


余と万桜の後ろから炎の矢が赤の魔道士を襲う。


「役者は、揃ったようですね」

「……ずいぶん余裕じゃねぇか!」


現れたのは、ボムだった。


「当り前ですよ。
 3人揃っても私の足元にも及びませんからね」


赤の魔道士は、嬉しそうに笑う。
その笑顔に余は恐怖を覚えた。


※この物語は、フィクションです。
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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月19日


春らしい天気ではあるが、まだ肌寒い。
あと2週間もすれば、桜が咲くのか?

余は、ゆっくりと体を起こしベッドを降りた。


余の携帯が鳴る。


黒曜からだ。


「もしもし神だ」

「久しぶりだね」

「ああ。
 何のようだ?」

「素史(モトフミ)様が、現世に向かった」

「父上殿が?
 なんで、また……?」

「君を連れ戻すためだよ」

「余を?」

「アザゼルさんとカリストファーさんが、頑張ってくれていたけど……
 そろそろ仕事も溜まってきている」

「そうだな」

「そう言うこともあって素史様は、お冠だ。
 君は、12月から仕事を放棄している訳だからね」

「……だが、余にはやらなければいけないこともある」

「わかっている。
 赤の魔道士のことだね?」

「ああ。
 ヤツを野放しにしておけば、現世は滅茶苦茶になる」

「……ああ。
 僕の方でも捜索している。
 だけど、なかなか尻尾を掴めていない」

「ああ。
 アジトらしいアジトは、ボムが破壊したからな」

「ボム?」

「ボム・クライマー。
 赤の魔道士に個人的な恨みを持つモノだ」

「どこかで聞いた名前だな」

「有名なのか?」

「詳しくは、わからないが、無名ではないはず。
 ブラックリストに載っている名前ではないから、悪いヤツではないはずだ」

「そうであることを祈るが……」

「神様」

「なんだ?」

「万桜のこと頼む」

「ああ。
 任せておけ」

「何かわかり次第、こちらから連絡する」

「ああ」

「じゃ、また」

「ああ」


電話は、そこで切れた。
父上殿が現世に来る。
余は、何故か嫌な予感がした。


※この物語は、フィクションです。


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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月18日


日曜日。
だが、雨。


普段なら人であふれかえっている公園も僅かな人が入り交じる。
雨の中、楽器を奏でるモノがいる。


余は、ゆっくりとそのモノに近づく。


余は、この曲に聞き覚えがあった。


「この曲は、神の国のモノか?」

「……」


男は、何も答えない。
余は、この男の正体を神の目で見る。
しかし、見ることは出来なかった。
つまり、この男は、今の余よりも強いと言うことだ。


「何か用でもあるのか?」


男は、余を睨む。


「いや……
 いい曲だと思ってな。
 どこか懐かしい……」

「それは、そうだろう。
 これは、神の国の子守唄だからな」

「主は、何者だ」

「俺は、中川 圭(なかがわ けい)。
 まぁ、神族や魔族専門の殺し屋だ」

「その殺し屋が、余に何の用だ?」

「話しかけたのは、お前だろ?
 安心しろ、今は、お前とことを争う気はない」

「……そうか。
 なら、戦わないでいよう」

「やけに素直だな?」

「余は、学習した。
 この世には、余よりも強いモノが何人もいると言うことを。
 余は、知っている。
 主が、余よりも遥かに強いってこともな」

「賢明な判断だ」

「ところで、その楽器はなんだ?」

「これは、リュートだよ」

「聞きなれない楽器だな」

「まぁ、この国にはあまりない楽器だ」

「そうか……」



男は、無言で楽器をケースに入れる。


「赤の魔道士には気を付けるんだな」

「知っているのか?」

「……」


そして、何も語らずにその場から離れた。


中川圭。
余は、この名前を知っている。

僅か7歳で、魔王を倒した男だ。
下級の魔王ではなくかなり上級の魔王だ。

そして、勇者の名を手に入れた男だ。

戦うことを避けねばな。


※この物語は、フィクションです。


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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月17日



余と万桜は、亜金を亜金の自宅まで送った。

びっくりしないように玉藻にはメールで知らせていた。
にもかかわらず、亜金の姿を見た玉藻は、亜金を抱きしめ泣き崩れた。


「お前が、無事でよかった……」

「……プレさんがね」

「プレさんがどうした?」

「死んだんだ……」

「え?」



玉藻の表情が固まる。


「だから、俺、行かなくちゃ」

「行くって、何処へ?」

「敵を倒すんだ」

「敵を倒す?
 敵とは誰だ?
 それは、危ないことじゃないのか?」

「敵とは雫さんを殺し。
 プレさんを殺しそして優心さんも殺した」

「話は聞いている……
 そいつらは、強いんだろ?
 だったら、お前が行かなくても……
 神様や万桜、クロにシロ、零に藍だっている……
 そいつらは、お前より何倍も強いのだろ?
 だったら……!?」


玉藻が、涙目で亜金を見る。


「俺が、やらなくちゃ行けないんだ……
 この力のせいで俺はずっと虐められてきた。
 この力のせいで俺はバケモノだと言われてきた。
 だけど、今逃げちゃ、本当のバケモノになっちゃう!
 だから、戦うんだ!俺が人になるために!」

「そんなことをしなくてもお前は……!」


玉藻が、そこまで言いかけた時、亜金が玉藻の頭を撫でる。


「玉藻、小さくなったよね。
 昔は、守られてばっかだった……」

「亜金……?」

「だから、今度は俺が守るんだ。
 玉藻だけじゃないこの世界を……」

「バカが……」

「玉藻、泣かないで……
 ホント、困ったお姉さんだな……」


亜金は、苦笑いを浮かべると玉藻の涙を指で拭った。


「亜金……」

「この戦いが終わったらさ、美味しいシュークリームを食べに行こう」

「そんなもの、私が幾らでも作ってやる!
 だから、帰ってこいよ?」

「うん」


亜金は、玉藻に背を向けて歩き出す。
赤の魔道士を探さなくてはな……
そして、今度こそは必ず……


※この物語は、フィクションです。

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