SSブログ
ニートライター亜金の事件簿 ブログトップ
前の5件 | 次の5件

ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月21日


雨、むしろ台風。


俺は、フェアリーテイルにて、亜銀と啓司さんを待つ。


「兄さん、早いね」


亜銀が、啓司さんと共に現れる。


「30分前行動だ」

「兄さんのことだから、1時間くらい前に来てたんじゃないの?」

「まぁ、そうだな……」

「兄さんは、変わらないね」

「まぁな……
 で、作戦はあるのか?」

「とりあえず、僕が複数のダブルを出して捜査をする」


亜銀が、そう言って、コーヒーを飲む。


「他に捜査員はいないのか?」


俺は、そう言いながら紅茶を飲む。


「他の捜査員も、もちろんいる。
 だけど、アイツの動きを止めれるのは、啓司さんと兄さんしかいない。
 正直人数不足。猫の手は欲しい。だけど、猫の手はいらない。
 吸収されて、それで終わりだ」

「……そうだな」


俺は、ため息をつく。


「まぁ、なんとかなるさ……
 前も、何とかなった。
 今回も何とかなる。
 三度目の正直ってやつだ!」

「二度あることは三度あるとも言うけどね」


遙が、俺達の間に入ってオレンジジュースを飲む。


「遙……!
 大人の話に入ってはいけません!」


銘さんが、そう言って遙の体を持ち上げてカウンターに戻った。


「ま、用心にこしたことはないな」


啓司さんは、そう言って銃を俺の前に置く。


「これは……?」

「銃だ。
 使い方わかるよな?」

「え?」

「元敏腕スナイパーさんの亜金さん。
 少し調べたらわかった。
 ハンドガンの世界記録100位、人に当てること位出来るだろう?」


啓司さんは、笑った。


※この物語は、フィクションです。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月19日


晴れ。
でも、午後から雨が降るらしい。

このまま晴れてくれたらいいのにな……


いつものように賑わうフェアリーテイル。


ただ、その賑やかな場所にいない直美ちゃん。

俺は、ただ項垂れた……


「亜金さん……」


奈留さんが、心配そうに声を掛けてくれた。


「あ、斎藤さん。
 久しぶり……
 ここに来るなんて珍しいね」


俺が、そう言うと斎藤さんが、心配そうに尋ねてくれた。


「橘勤、死んだんですか?」

「ああ。
 頭を銃で撃ち抜かれたからね……」

「……」

「どうかした?」

「由香ちゃんが、変なことを言っているんです」

「変なこと?」

「橘勤は、まだ死んでいないって……」

「でも、あの時、確かに銃で頭を撃ち抜かれ……
 沢山の魂が抜けて行くのをこの目で見たんだ」

「ですよね……」


俺達が、雑談していると亜銀と啓司さんが店に入って来た。


「亜金さん。
 残念な知らせがある」

「残念なお知らせ?」

「橘勤の遺体が消えた……」

「え?」

「アイツの能力を侮っていた……」


亜銀が、悔しそうに言った。


「だって、あの時、橘勤は、頭を銃で撃ち抜かれて……」

「ああ。
 一回は死んだ。
 だけど、暫くして復活した。
 そして、搬送中の警官を殺し、逃走した」

「……アイツは、いったい何人殺せば気が済むんだ」

「きっと、アイツのメイン能力は、ソウルイーター。
 そして、サブが復活だ」


啓司さんが答える。
そして亜銀が続けて答える。


「だが、サブが復活なのなら、次は無い……
 次は、確実に仕留める。
 一度死んでいるから、今まで奪った能力の殆どを失っている……
 インターポールが把握している能力者のほぼすべてに召集が掛けられた」

「俺は、いかない……」

「え?」

「俺も戦う」


俺は、そう言って二人を睨んだ。


※この物語は、フィクションです。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月18日


昨日の続き。


亜銀が、橘勤の後頭部に銃を密着させている。


「亜銀?」


亜銀が、一瞬こっちをみる。
そして、視線を橘勤に向ける。


「う、撃つな!」


俺は、思わず叫んでいた。
ダメだ、人殺しでも殺したら、そっち側の人間になる。

しかし、俺の叫びも虚しく銃声が、響いた。


亜銀は、何度も何度も何度も銃を撃った。


動かなくなる橘勤。


「……」

「……」


沈黙する、俺と亜銀。

亜銀は、こっちを見た。


「久しぶり」


亜銀は、力なく俺の方を見る。


「殺したのか?」

「たぶん、死んだと思う。
 いや、殺さなきゃいけなかったんだ……」

「でも……」

「兄ちゃんの言いたいことはわかる。
 だけど、今、殺さなきゃ、コイツはもっと沢山の人を殺す。
 それも、全ての人を殺しても止まらないくらいにね……」

「……」


俺は、何を言ったらいいのかわからなかった。


ただ、沈黙する千春と俺。
そして、亜銀と魂の抜け殻となった橘勤。


橘勤の中から、幾数の魂が、抜けて行く……


「これは……?」

「コイツが、今までに食べた魂」

「あ、そうだ……
 直美ちゃん!直美ちゃんは!!」

「……」


橘勤の体から抜け出した魂達の中に直美ちゃんの姿はなかった。


「……直美ちゃん」


俺は、その場で項垂れた……


直美ちゃんの魂は、何処にもない。
どう言うことだ……
成仏してしまったのだろうか?
それとも、他の人に殺されたのだろうか……


俺には何もわからない。
何もわからない。

ただ無力な自分の力だけを呪った。

※この物語は、フィクションです。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月17日

昨日の続き。


「だとしたらどうする?」


俺は、とりあえず笑って見せた。
正直怖い、怖いけど、今、銘さん達を守れるのは俺だけ……


「殺して、お前の魂も頂く!」


橘勤が、そう言って俺を襲い掛かってくる。


「千春!
 お前は、銘さん達を安全な場所へ!」

「アイアイサー」


千春は、遙ちゃんを抱き上げると銘さん達を店の外に出した。


「さて……
 邪魔者は居なくなった!
 お前の魂!いただくぞ!」


橘勤が、そう言って地面を蹴った。

地面が割れる。


俺は、それを避ける。


「あん?
 さっきもそうったが、威力が弱いな……」

「……」



橘勤は、指先を俺に向ける。


「火だるまになれ!」


しかし、何も起こらない。


「……」

「お前、俺に何をした?」


橘勤が、俺を睨む。


「なんにもしてないさ。
 お前が弱くなったんじゃないのか?」

「そうか……
 これが、お前の能力か……
 なら、お前を殺して俺の能力にするまでだ!」

「簡単には、殺されないぞ」


俺は、足早に橘勤の顔に一撃を喰らわせる。


「糞が……」


俺を睨む橘勤。


「糞は、お前だ……」


聞き覚えのある男の声が、俺の耳に入ってくる。

啓司さんでもない、橘勤でもない。


この声は、亜銀だ。


※この物語は、フィクションです。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ニートライター亜金の事件簿 [ニートライター亜金の事件簿]

9月16日


金曜日。

啓司さんが、俺の警護から離れた。

橘勤が、単独で俺の所に来る可能性は、低いらしい。

俺は、現在ノーマーク。


銘さんも遙もノーマーク。


何か嫌な予感がするので俺は、フェアリーテイルで待機した。


「啓司さん達が居ないと少し寂しいですね……」


霞さんが、そう言って俺に紅茶を出してくれた。


「そうですね……
 こんな状態で、橘勤に襲われたら……」


俺が、そこまで言いかけた時、背筋が、ゾクゾクと冷えるのを感じた。


「どうしたんですか?」


心配そうに霞さんが、俺の方を見る。


「何かが来る!」


俺は、ゆっくりと店の扉に視線を向けた。


「いらっしゃいま――」


銘さんが、そこまで言いかけ、そして表情を凍らせる。

逃げも隠れもしない。
まるで、そう言っているように堂々とした表情。

橘勤、本人がそこに居た。


「橘勤だ……」


遙が、小刻みに震え、銘さんの影に隠れる。


「ヤツらが、いなくなった……
 これで、お前らを思う存分いたぶる事ができるな!」


橘勤は、ニッコリと笑うと俺の方を見た。


「来るか……?」

「まずは、お前を火だるまに……」


橘勤が、俺の方を睨み指先を向けた。
能力かな?
俺は、それを無視して橘勤の顎に一撃を入れた。


橘勤が、ゆらりと揺れる。


「お前……
 お前も能力者か……?」


橘勤が、嬉しそうに笑う。


※この物語は、フィクションです。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感
前の5件 | 次の5件 ニートライター亜金の事件簿 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。