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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]
2012年10月11日
今日は、月に1度の心療内科の受診の日。
ちなみに心療内科の先生の名前は、黄昏 彼方(たそがれ かなた)先生だ。
結構紳士な先生で、千春ちゃん曰く千春ちゃんや銘先生の幼馴染らしい。
みんなそろって医師とか看護師さんとか凄いよね。
みんな俺と同じ年なのに凄い。
んで、今日の診察の結果薬が1つ増えた。
手足胸頭の痛み止めの薬。
1日4回、朝昼晩寝る前の4回。
効くと良いな……
まぁ、それはさておき、彼方先生に隼人君のことを相談してみた。
「先生、病気で元気のない子供の元気を取り戻すには、どうしたらいいですか?」
「どんな状況なんだい?」
「13日に手術を迎えているのですが……
手術が難しいらしく、失敗を怖がっているんです」
「そうか……」
彼方先生は、そう言って親指立てを口元に当てる。
「なら、楽しみを与えてあげればいい」
「楽しみですか?
手術が成功したら……
とかですか?」
「そう言う言い方をしちゃうと『手術しっぱいしたら……』って考えになってしまうかもしれないね。
だから、さりげなくその子が、楽しみなことを考えてあげると良いよ。
1ヶ月後とかの話にすると生きる希望になるかもしれない……」
「そうですか……」
「ちなみに今年の11月17日には、しし座流星群が、あるらしいよ」
「それって夜じゃないですか?
子供も外出できるんですか?」
「まぁ、近くに穴場はあるけど夜に外出は出来ないだろうね……」
「ですよね……」
「ちなみにこの病院の屋上は結構な星が見えるよ」
「え?」
「外出しなくても病院の屋上に行く程度なら許可は、下りると思うよ」
「そうか!
ありがうございます!」
「いえいえ」
彼方先生は、ニッコリと微笑む。
「にしても、亜金さんは、優しいね」
「え?」
「子供たちのことを考えてあげれる……
それって、優しい証拠だよ。
子供たちが君を慕う気持ちがわかるよ」
「俺は、全くわかりません」
「わからないことが、いいことなんだと思う。
こういうのを知ってしまうと優しさではなく責任感に変わってしまうからね」
「そうなんですか?
難しいことはよくわかんないです」
そんな感じで今日の診察は終わった。
明日、隼人君たちをしし座流星群に誘うか……
今日は、月に1度の心療内科の受診の日。
ちなみに心療内科の先生の名前は、黄昏 彼方(たそがれ かなた)先生だ。
結構紳士な先生で、千春ちゃん曰く千春ちゃんや銘先生の幼馴染らしい。
みんなそろって医師とか看護師さんとか凄いよね。
みんな俺と同じ年なのに凄い。
んで、今日の診察の結果薬が1つ増えた。
手足胸頭の痛み止めの薬。
1日4回、朝昼晩寝る前の4回。
効くと良いな……
まぁ、それはさておき、彼方先生に隼人君のことを相談してみた。
「先生、病気で元気のない子供の元気を取り戻すには、どうしたらいいですか?」
「どんな状況なんだい?」
「13日に手術を迎えているのですが……
手術が難しいらしく、失敗を怖がっているんです」
「そうか……」
彼方先生は、そう言って親指立てを口元に当てる。
「なら、楽しみを与えてあげればいい」
「楽しみですか?
手術が成功したら……
とかですか?」
「そう言う言い方をしちゃうと『手術しっぱいしたら……』って考えになってしまうかもしれないね。
だから、さりげなくその子が、楽しみなことを考えてあげると良いよ。
1ヶ月後とかの話にすると生きる希望になるかもしれない……」
「そうですか……」
「ちなみに今年の11月17日には、しし座流星群が、あるらしいよ」
「それって夜じゃないですか?
子供も外出できるんですか?」
「まぁ、近くに穴場はあるけど夜に外出は出来ないだろうね……」
「ですよね……」
「ちなみにこの病院の屋上は結構な星が見えるよ」
「え?」
「外出しなくても病院の屋上に行く程度なら許可は、下りると思うよ」
「そうか!
ありがうございます!」
「いえいえ」
彼方先生は、ニッコリと微笑む。
「にしても、亜金さんは、優しいね」
「え?」
「子供たちのことを考えてあげれる……
それって、優しい証拠だよ。
子供たちが君を慕う気持ちがわかるよ」
「俺は、全くわかりません」
「わからないことが、いいことなんだと思う。
こういうのを知ってしまうと優しさではなく責任感に変わってしまうからね」
「そうなんですか?
難しいことはよくわかんないです」
そんな感じで今日の診察は終わった。
明日、隼人君たちをしし座流星群に誘うか……
まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]
2012年10月10日
今日は、ノルディックウォーキングたるものを知り銘先生に勧められたので、北新地まで美穂と杖を買いに行った。
店は大きくなく種類も少ないけど、いい杖が買えた。
9450円。
思ったより安く変えたのかもしれない。
でも、美穂がお金を出したので、少し罪悪感が……
帰りは、大阪駅付近の地下街のお店で、カレーナンを食べて、阪急百貨店にあるモンシュシュでロールケーキを買って病院に戻った
ロールケーキは、3つほど買ってきた。
いつも遊びに来る子供たちの分も入っているし、千春ちゃんや千代田さん銘先生やはるか先生の分も入っている。
充君が少しでも元気になればと思って買って来たのだけど……
充君は、お礼を言った後は、無言でロールケーキを食べた。
歩ちゃんも隼人君も愛ちゃんも戸惑いつつケーキを食べていた。
ケーキを食べていると元太君がランドセルを背負ったまま俺の病室に訪れる。
「あー!
お前らずるいぞ!
俺にも、ロールケーキ食わせろ!」
元太君が、そう言うと美穂が笑う。
「来ると思っていたから元太君の分も用意してるよ」
美穂がそう言って冷蔵庫から元太君の分のロールケーキを出した。
「学校は、どうだった?」
俺は、元太君に尋ねると元太君は、ため息をつく。
「はるか先生の授業の方が楽しいし解りやすいし優しい……」
元太君が、そう言うとはるか先生が苦笑い。
「あら、ありがとう」
「友達は、出来たか?」
「まだ……」
俺の問いに元気なさそうに元太君が答える。
「まぁ、いずれできるだろう」
「そうですよ。
元太君は、僕と違って社交的だしすぐに友達が出来て僕たちのこと忘れます……」
充君が、悲しそうに言うと元太君が怒鳴る。
「そんな訳ないだろ!
死ぬまでお前たちのこと忘れないぞ!」
「絶対忘れないでくださいね……」
充君の声が弱々しく泣きそうな声だった。
「忘れないぞ?
歩や隼人、愛のことも忘れないからな!」
「うん!」
歩ちゃんが、嬉しそうに頷く。
でも、やっぱり充君の元気が回復することは、無かった。
充君の手術の日は、13日……
成功したら、元気になるだろう。
俺は、自分でそう言い聞かせ無責任に納得しようとした。
今日は、ノルディックウォーキングたるものを知り銘先生に勧められたので、北新地まで美穂と杖を買いに行った。
店は大きくなく種類も少ないけど、いい杖が買えた。
9450円。
思ったより安く変えたのかもしれない。
でも、美穂がお金を出したので、少し罪悪感が……
帰りは、大阪駅付近の地下街のお店で、カレーナンを食べて、阪急百貨店にあるモンシュシュでロールケーキを買って病院に戻った
ロールケーキは、3つほど買ってきた。
いつも遊びに来る子供たちの分も入っているし、千春ちゃんや千代田さん銘先生やはるか先生の分も入っている。
充君が少しでも元気になればと思って買って来たのだけど……
充君は、お礼を言った後は、無言でロールケーキを食べた。
歩ちゃんも隼人君も愛ちゃんも戸惑いつつケーキを食べていた。
ケーキを食べていると元太君がランドセルを背負ったまま俺の病室に訪れる。
「あー!
お前らずるいぞ!
俺にも、ロールケーキ食わせろ!」
元太君が、そう言うと美穂が笑う。
「来ると思っていたから元太君の分も用意してるよ」
美穂がそう言って冷蔵庫から元太君の分のロールケーキを出した。
「学校は、どうだった?」
俺は、元太君に尋ねると元太君は、ため息をつく。
「はるか先生の授業の方が楽しいし解りやすいし優しい……」
元太君が、そう言うとはるか先生が苦笑い。
「あら、ありがとう」
「友達は、出来たか?」
「まだ……」
俺の問いに元気なさそうに元太君が答える。
「まぁ、いずれできるだろう」
「そうですよ。
元太君は、僕と違って社交的だしすぐに友達が出来て僕たちのこと忘れます……」
充君が、悲しそうに言うと元太君が怒鳴る。
「そんな訳ないだろ!
死ぬまでお前たちのこと忘れないぞ!」
「絶対忘れないでくださいね……」
充君の声が弱々しく泣きそうな声だった。
「忘れないぞ?
歩や隼人、愛のことも忘れないからな!」
「うん!」
歩ちゃんが、嬉しそうに頷く。
でも、やっぱり充君の元気が回復することは、無かった。
充君の手術の日は、13日……
成功したら、元気になるだろう。
俺は、自分でそう言い聞かせ無責任に納得しようとした。
まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]
2012年10月09日
曇り。
朝、元太君が1人で俺の部屋を訪れる。
「どうした?
今日は、院内学級はないのか?」
「黙っていたけどよー
実は、俺、今日、退院なんだ」
「え?
そうなの?
お別れ会してないじゃないか……」
「お別れ会は、断ったんだー」
「どうして?」
「俺の家、この病院から離れてないから、毎日遊びに来るからよー」
「そっか……
でも、それだと学校の友達が出来ないんじゃないのか?」
「友達は、この病院の中にいるし……
今さら学校に行っても学校の友達なんで出来るわけないぞ」
「まぁ、きっかけがないと出来ないわな……」
「うん。
盲腸で半年入院とか恥ずかしくて言えないし……」
「盲腸悪化していたんだろ?
医療に関しては詳しくはないからわかんないけど、恥ずかしがることはないぞ」
「兄ちゃん、ありがとうな」
「え?」
「色々優しくしてくれて、俺らみんな感謝してる」
「どうしたの?
急に……」
「兄ちゃんには、色々世話になったから……
んじゃ、俺行くな!」
元太君は、寂しそうな表情を残しそのままその走って去った。
「病院内を走ってはいけません!」
でも、すぐに千代田さんに注意され、元太君は謝ったあと静かに歩いて俺の病室から離れた。
「亜金さん、血圧を計りに来ましたよ」
「あ、はい……」
俺は、ベッドに戻り横になった。
「血圧は、安定してますね」
「元太君、退院なんですね」
「はい」
「あの子、本当に盲腸なのですか?」
「それは、個人情報なので言えません」
千代田さんが、苦笑いを浮かべる。
「そっか……
個人情報なら仕方がないですね……」
と言うことは、盲腸じゃないのか……
元太君、なんで隠しているんだろう。
そんなことを思った。
でも、もしかしたら本人も盲腸と思っているのかもしれない。
ただ、その場合、重い病気なんだろうな……
元太君のご両親が隠しているのかもしれない……
曇り。
朝、元太君が1人で俺の部屋を訪れる。
「どうした?
今日は、院内学級はないのか?」
「黙っていたけどよー
実は、俺、今日、退院なんだ」
「え?
そうなの?
お別れ会してないじゃないか……」
「お別れ会は、断ったんだー」
「どうして?」
「俺の家、この病院から離れてないから、毎日遊びに来るからよー」
「そっか……
でも、それだと学校の友達が出来ないんじゃないのか?」
「友達は、この病院の中にいるし……
今さら学校に行っても学校の友達なんで出来るわけないぞ」
「まぁ、きっかけがないと出来ないわな……」
「うん。
盲腸で半年入院とか恥ずかしくて言えないし……」
「盲腸悪化していたんだろ?
医療に関しては詳しくはないからわかんないけど、恥ずかしがることはないぞ」
「兄ちゃん、ありがとうな」
「え?」
「色々優しくしてくれて、俺らみんな感謝してる」
「どうしたの?
急に……」
「兄ちゃんには、色々世話になったから……
んじゃ、俺行くな!」
元太君は、寂しそうな表情を残しそのままその走って去った。
「病院内を走ってはいけません!」
でも、すぐに千代田さんに注意され、元太君は謝ったあと静かに歩いて俺の病室から離れた。
「亜金さん、血圧を計りに来ましたよ」
「あ、はい……」
俺は、ベッドに戻り横になった。
「血圧は、安定してますね」
「元太君、退院なんですね」
「はい」
「あの子、本当に盲腸なのですか?」
「それは、個人情報なので言えません」
千代田さんが、苦笑いを浮かべる。
「そっか……
個人情報なら仕方がないですね……」
と言うことは、盲腸じゃないのか……
元太君、なんで隠しているんだろう。
そんなことを思った。
でも、もしかしたら本人も盲腸と思っているのかもしれない。
ただ、その場合、重い病気なんだろうな……
元太君のご両親が隠しているのかもしれない……
まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]
2012年10月08日
晴れ。
いい天気だ。
月曜日。
でも、祝日。
今日も早くに目を覚ます。
そして、待合室に行くと充君がいた。
「充君おはよう。
今日も眠れなかったの?」
「亜金さん。
おはようございます。
はい、ここ最近一睡もしていません……」
「そっか……」
不安なんだろう。
怖いんだろう。
手術ってそんなもんだ。
俺の目の手術でさえ、あんだけ怖かったのだから……
命をかけた手術なんて、その非じゃないくらい怖いだろう。
「脊髄の手術なのか?」
「はい。
遠い親戚の方の脊髄の細胞が僕のと適合して移植できることになりました」
「そっか……
だったら、助かる可能性も高いじゃないのか?」
充君は、少し険しい顔をした後、髪の毛を取った。
そうか……
髪型が、あんまり変わらないと思っていたら、全頭ウィッグだったのか……
「僕の症状は、結構悪いんです。
今は、薬でなんとか押さえてますが……
効果が切れると辛いです……」
「そっか……
でも、大丈夫、成功すると信じようよ」
「信じたいです……
でも、それ以上に怖いんです。
脊髄移植って、相応のリスクがあるんです。
失敗の可能性もあるんです」
「プラス思考でいこうよ。
歩ちゃんは、成功したじゃないか……」
「え?亜金さんは、知らないのですか?」
「うん?何を……?」
「歩ちゃんの手術、決して成功とは言い切れないんです。
血管に血栓が、つまるようになったんです。
手術してから、意識を失ってたでしょう?
それが、原因だそうです……」
「結構、詳しいんだね」
「勉強しましたから……」
「充君凄いよ」
「僕の将来の夢は、医者になって同じ病気で苦しんでいる人を救うことなんです」
「叶うさ……
充君、頭がいいから……」
俺は、そう言って充君の頭を撫でた。
それしかできなかった。
情けない。情けない。情けない。
こんな自分が情けない。
俺は、命をなんだと思っていたのだろう……
生きたい命はそこにあるのに俺は、それを辞めようとした。
だけど、あのまま生きていても何もならなかったかもしれない。
自殺への後悔と自殺したからこそわかった命の大事さ……
俺は、どうするのが正解なんだろうか……?
晴れ。
いい天気だ。
月曜日。
でも、祝日。
今日も早くに目を覚ます。
そして、待合室に行くと充君がいた。
「充君おはよう。
今日も眠れなかったの?」
「亜金さん。
おはようございます。
はい、ここ最近一睡もしていません……」
「そっか……」
不安なんだろう。
怖いんだろう。
手術ってそんなもんだ。
俺の目の手術でさえ、あんだけ怖かったのだから……
命をかけた手術なんて、その非じゃないくらい怖いだろう。
「脊髄の手術なのか?」
「はい。
遠い親戚の方の脊髄の細胞が僕のと適合して移植できることになりました」
「そっか……
だったら、助かる可能性も高いじゃないのか?」
充君は、少し険しい顔をした後、髪の毛を取った。
そうか……
髪型が、あんまり変わらないと思っていたら、全頭ウィッグだったのか……
「僕の症状は、結構悪いんです。
今は、薬でなんとか押さえてますが……
効果が切れると辛いです……」
「そっか……
でも、大丈夫、成功すると信じようよ」
「信じたいです……
でも、それ以上に怖いんです。
脊髄移植って、相応のリスクがあるんです。
失敗の可能性もあるんです」
「プラス思考でいこうよ。
歩ちゃんは、成功したじゃないか……」
「え?亜金さんは、知らないのですか?」
「うん?何を……?」
「歩ちゃんの手術、決して成功とは言い切れないんです。
血管に血栓が、つまるようになったんです。
手術してから、意識を失ってたでしょう?
それが、原因だそうです……」
「結構、詳しいんだね」
「勉強しましたから……」
「充君凄いよ」
「僕の将来の夢は、医者になって同じ病気で苦しんでいる人を救うことなんです」
「叶うさ……
充君、頭がいいから……」
俺は、そう言って充君の頭を撫でた。
それしかできなかった。
情けない。情けない。情けない。
こんな自分が情けない。
俺は、命をなんだと思っていたのだろう……
生きたい命はそこにあるのに俺は、それを辞めようとした。
だけど、あのまま生きていても何もならなかったかもしれない。
自殺への後悔と自殺したからこそわかった命の大事さ……
俺は、どうするのが正解なんだろうか……?
まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]
2012年10月07日
今日は、朝の6時前に目が覚める。
もう一度寝ようとしてもなかなか寝付けず。
目を開ける。
「散歩でもするか……」
俺は、熟睡している美穂を起こさないように俺は部屋を出た。
流石、6時前。
待合室には、誰もいない。
待合室で自販機を見るとあたたかい飲み物が、あった。
そっか、もうそろそろそんな時期なんだな。
そう思うと朝晩は冷える気がして来た。
とりあえず、俺はペットボトルの暖かいお茶を買った。
一口口に運ぶ。
ほんのりと体が、暖かくなった。
冷たいのも良いけど、たまには暖かいモノもいいな……
俺は、まったりとお茶を飲んでいた。
すると充君が、近づいて来た。
「どうした?
眠れないの?」
俺は、充君に尋ねた。
「はい。僕、13日に手術なんです……」
「そっか。
頑張れよ」
「はい……」
「ジュース飲むか?
奢ってあげるよ」
俺は、ゆっくりと立ち上がった。
「ありがとうございます」
充君が、苦笑いを浮かべる。
「元気ないな?
手術が成功したら退院できるんだろ?」
俺は、そう言って自販機にお金を入れる。
「成功はないんです。
ただ、死ぬのを伸ばすだけ……」
充君は、そう言って辛そうな顔をした。
そっか、ここは、そう言う病院だったね……
「あ、でも、元太君は助かりますよ?
あの人は、盲腸が悪化して、その治療で入院しているだけですから……
だけど、僕と歩ちゃん愛ちゃんは、違う。
みんな重度の白血病なんです……」
「そっか……
ところで、隼人君は何で入院しているんだ?」
「あの人は、事故で左目を失って入院しているらしいです。
噂だと事故じゃなく、無理心中らしいです」
「え?」
「車の中で、ご両親が妹さんと一緒に練炭自殺。
隼人君は、車の外に出ている時でした。
車に、練炭の火が燃えうつり爆発したそうです。
引き取り手が居ないから、この病院に残っているみたいです」
「みんな色々あるんだな……」
「はい……」
俺は、少し胸が痛くなった。
今日は、朝の6時前に目が覚める。
もう一度寝ようとしてもなかなか寝付けず。
目を開ける。
「散歩でもするか……」
俺は、熟睡している美穂を起こさないように俺は部屋を出た。
流石、6時前。
待合室には、誰もいない。
待合室で自販機を見るとあたたかい飲み物が、あった。
そっか、もうそろそろそんな時期なんだな。
そう思うと朝晩は冷える気がして来た。
とりあえず、俺はペットボトルの暖かいお茶を買った。
一口口に運ぶ。
ほんのりと体が、暖かくなった。
冷たいのも良いけど、たまには暖かいモノもいいな……
俺は、まったりとお茶を飲んでいた。
すると充君が、近づいて来た。
「どうした?
眠れないの?」
俺は、充君に尋ねた。
「はい。僕、13日に手術なんです……」
「そっか。
頑張れよ」
「はい……」
「ジュース飲むか?
奢ってあげるよ」
俺は、ゆっくりと立ち上がった。
「ありがとうございます」
充君が、苦笑いを浮かべる。
「元気ないな?
手術が成功したら退院できるんだろ?」
俺は、そう言って自販機にお金を入れる。
「成功はないんです。
ただ、死ぬのを伸ばすだけ……」
充君は、そう言って辛そうな顔をした。
そっか、ここは、そう言う病院だったね……
「あ、でも、元太君は助かりますよ?
あの人は、盲腸が悪化して、その治療で入院しているだけですから……
だけど、僕と歩ちゃん愛ちゃんは、違う。
みんな重度の白血病なんです……」
「そっか……
ところで、隼人君は何で入院しているんだ?」
「あの人は、事故で左目を失って入院しているらしいです。
噂だと事故じゃなく、無理心中らしいです」
「え?」
「車の中で、ご両親が妹さんと一緒に練炭自殺。
隼人君は、車の外に出ている時でした。
車に、練炭の火が燃えうつり爆発したそうです。
引き取り手が居ないから、この病院に残っているみたいです」
「みんな色々あるんだな……」
「はい……」
俺は、少し胸が痛くなった。